四季島スイートの702号室は、ハイデッカー車の下部分なので、レールとベッドとの距離が近いのか、以前よりもレールの音が気になってよく眠れませんでした。午前3時過ぎにどこかに停車した音で目が覚めると、蟹田駅のようです。蟹田駅で運転乗務員が東日本から北海道に変わるのです。
津軽線と北海道旅客鉄道(JR北海道)海峡線の分岐駅は隣の中小国駅ですが、海峡線を経由する旅客列車は中小国駅は通過駅のため、蟹田駅でJR東日本とJR北海道の乗務員の交代が行われるので、車掌さんにご挨拶をしようと、慌てて着替えをしている間に出発してしまい交代風景を見ることが出来ませんでした。
先頭車に行くと、既に数名の方がビデオを構えていたので、そのお隣に座らせてもらい、あほまろもこれから通過する海峡線のビデオ撮影を開始したのでした。
JR北海道の阿部車掌さんはお話し上手で、これから通過する行程の詳細を随時語ってくれたので、その説明はビデオにしっかり記録されておりますよ。
四季島は、津軽線と海峡線の実際の分岐点である新中小国信号場から新幹線と共有する三線軌条(さんせんきじょう)に入り、途中駅の津軽今別駅手前で一旦三線軌条より離れ、津軽今別駅を通過すると、再び三線軌条に戻って津軽海峡線に合流、その総てをビデオに記録することができました。
津軽線では、まだ新幹線が走っていないので、すれ違いに遭遇出来ませんが、
貨物列車3本とのすれ違いを見ることができましたよ。

この写真は、海峡線の中心部分を通過中。


津軽海峡を僅か40分ほどでトンネル通過、北海道の綺麗な朝焼けで四季島を迎えてくれたのです。

木古内駅手前で新幹線との三線軌条を離れ、木古内駅で3分間の停車です。

北海道に入ると見物のみなさんはお部屋に戻り、展望車内は、あほまろと阿部車掌だけになったので、反射の大きかった運転席の扉を開けてくれたので、撮影も楽になりましたよ。


釜谷駅で15分の停車中に海から登るダルマ太陽が見えましたが、ちょうど木に邪魔されたのが残念です。





釜谷駅を出ると、太陽がダブって見えてきたのです。

次第に3個に見えたり、
1個に見えたり、一緒に見ていた阿部車掌もこれは目の錯覚では無いですねと言ってましたが、これはいったいどんな現象なのでしょうね。

ガラスの反射かも知れないと、阿部車掌と運転手が、運転席横の窓を開けて肉眼で見てくれましたが、やはり太陽が複数個に見えているとおっしゃっていたので、ガラスやレンズ内の反射では無いので、写真を時系列に並べておきますね。











この状態は、箱館山が望める上磯駅付近まで続いているので、更にいっぱいシャッターを切っておきました。



家に帰って、いろいろ現像で試してみましたが、やはり太陽のダブりは本物でしたよ。いったいこれは何だったのでしょうね。

朝焼けが終わり、6:20 に函館駅到着。♪はるばる来たぜ函館へ〜、でも、もうはるばるじゃないよね。

クルーと車内で知り合った方にも今朝の太陽のことを聞いてみたけど、
誰も気付かなかったんだって。

キタキツネにでも化かされたような気分で、久しぶりで北海道の大地を踏みしめたのでありました。

かつて、急行ニセコで東京に旅立った懐かしの函館駅。
連絡線が無くなってすっかり変わってしまいました。

バスの時間まで小一時間、駅周辺を歩いてみましたよ。



かつての駅は、青函連絡船との接続があったので、もうちょっと海よりでしたね。

函館の朝市を覗いてみたけど、今はイカが獲れなくなってしまったので、蟹を中心に販売をしていました。

函館のシンボルが消えてしまったのが寂しいですね。

函館山。


かつての青函連絡船摩周丸が展示されております。

昭和43年の夏、帰郷時に船内での青函連絡船乗客一億人突破記念式典に遭遇したのが、摩周丸だったことを思い出してしまいました。


四季島が見えてますね。


急行ニセコを牽引するC62を回転していたターンテーブル、ここで良く写真を撮りましたが、今も使えるのでしょうかね。

これからバスで朝食会場に向かいます。
会場は函館山のふもとの料亭富茂登(ふもと)でした。

古めかしい格好のこのおっさんは誰でしょ。

ごめんなさい、あほまろはイクラが大嫌いなのですが・・・。
と、事前に伝えておいたので、あほまろのご飯には、蟹が乗ってましたとさ。

どこが北海道らしさ、今ではどこでも一緒ですよね。

料亭富茂登のお隣は、北海道銘菓の千秋案本店。
お菓子より時計が気になりました。

食事を終えて再びバスにて、アイヌ舞踊見学です。

料亭「冨茂登」 のみなさんありがとう。

バスにて老舗レストラン「五島軒」にて、アイヌ文化舞踊を観劇。


その後、「TRAIN SUITE 四季島」のお客さま専用に函館市電 「530号」の貸切運行です。

「530号」は、昭和26年就役の函館市電で最も古い営業車両です。

「530号」の扉は他の車両と違って3枚扉。これは、全盛期の昭和30年代に少しでも混雑を緩和しようと、乗車口を2箇所設けたとか。しかし、現在は使われておりません。

無骨でクラシックな車体は人気が高く、函館観光のパンフレットや、映画などでも度々登場されているとか。

車体はほぼ当時のままで、木造の車内とアルミフレームのつり革が歴史を感じさせてくれます。




押しボタンはたぶん現役。

注意書きも当時のままです。
唯一大きな改造は、交通カードが利用可能な料金箱だけでしたよ。


クラシックな車内に四季島のクルー、これも現代的ですね。

固めのベンチシートの乗り心地は、かつてのままでした。


貸切運行なので、四季島のヘッドマークが着いておりました。


函館ドックで折り返しですが、定期運行の通過待ちの停車中に細部も撮ってきましたよ。











営業運転の電車がやってきました。

この電車の後に出発です。

古い電車が通過しているのに、誰も気にしておりません。函館では珍しい光景じゃ無いのでしょうね。






函館駅前で降車しました。

汽笛を鳴らしながら去って行く
「530号」。車両の老朽化もあり、夏の繁忙期のみと運行本数は少ないけど、今も現役で走っているのであります。

函館駅到着後は、函館朝市など時間まで自由に散策でした。









そろそろ集合時間です。




また、はるばる来るよ函館へ〜さかまく波をくぐり抜け、あとは追うなと言ってません。

キハ281系は、札幌行きの特急「スーパー北斗」
かな。


そのお隣が我らの四季島。

車掌さんが、北海道で鹿とぶつかったキズですと教えてくれましたが、かすり傷程度。でも、ぶつかった鹿は大怪我だったでしょうね。



函館駅駅長と駅員のお見送りです。

北海道内はディーゼル運転。轟音を響かせながら大沼通過中。


車内で昼食。もちろん分身達も一緒だよ。

駒ヶ岳と記念写真。


昼食は、函館の「風土」を表現するフランス料理であります。こんなのとか、

あんなのとか、「ああ、函館に来たんだ」と思っていただけるような、道南の風土を感じられる料理をお出ししたいと意気込んでおりましたとさ。

あれは何でしょう?

長万部で特急通過待ち。ここか函館本線と別れて室蘭本線に入ります。


四季島はこのまま登別まで行きますが、我々はニセコに行くので、途中の伊達紋別で降車します。

伊達紋別駅 14:31到着。

四季島とは、ここで一旦お別れです。

いってらっしゃい!汽車は出ていく煙は残らず。

ニセコまでは函館で別れたバスが迎えに来てました。

さようなら〜!

バスは洞爺湖経由で昭和新山の横を通ってニセコまで。

途中、サイロのドライブインでトイレ停車。

あほまろはいつも見ていた懐かしい光景なのです。




北海道は紅葉が始まってましたよ。


ドライブインで有名名猫ちゃん。


なんだよ、ニャロメ。睨まれてしまった。

故郷の山々が見えてきました。昆布岳。

羊蹄山。



お袋の故郷真狩村。

この先、左折すると狩太町(現ニセコ町)です。
町名はあほまろが進学で故郷を離れてからの改名なので、あほまろの心は、今も狩太町のままなのです。

見えてきました。みんさん、あれが我が心のニセコ連峰であります。

ふるさとの山に向かひて言うこといっぱいありますよ。

だって、ふるさとの山はありがたきかなだから。

ニセコの町から望む羊蹄山が富士山みたいで、一番格好良いでしょ。

ホテルに到着し、一旦荷物を預けてタクシーで町に戻ってきました。
まずは、我が家の真ん前のニセコ駅に立ち寄りましたよ。

実は、今回の旅の目的は、故郷のお墓参りをすることなのですからね。

すっかり変わってしまった駅前通り。

あほまろの家の跡地は空き地になっておりました。ここで産まれ育った懐かしの場所。
今も我が家の前からは、駅とその裏のニセコ連峰山が見えているのです。駅が近いので、高校通学で、駅に汽車が着いてから走って飛び乗ったのでした。

町は変わってしまったけど、我が家の前から望む羊蹄山には変わり無し。

我が家のお寺は、町外れの大仙寺です。まずは、位牌堂でご先祖さまにちょっと遅れでお彼岸のご挨拶。両親は永平寺にて授戒を受けて頂いた戒名ですが、息子はだらしないので、未だ頂いておりません。

そして我が家のお墓参り。お供えもお花も持って来なかったけど、お位牌を詣でたのでお許しください。

函館で昇った太陽、故郷の山に沈んでいきました。

今回はせわしないお参りでしたが、今度はゆっくりお参りに来ますからね。

ホテルに戻って、これまた懐かしのニセコ温泉の湯に浸かり、人生の垢を洗い流しましたとさ。

夕食は、故郷の野菜をたっぷりいただきました。



今夜は揺れないベッドで、おやすみなさい。

Memo
SONY α7R IV
SONY FE 12-24mm F4 G
SONY FE 24-105mm F4 G OSS
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