ハナカイドウの小さな実が、ほんのり赤く色づく季節になりましたね。
今朝は雨でした。細い枝先に残った小さな赤い実には雨粒がまとわりつき、薄暗い朝の中で、まるで小さな提灯でも灯したように輝いておりましたよ。
春には華やかな桃紅色の花を咲かせ、人の目を楽しませてくれるカイドウですが、花が終わってしまえば、それで一年の仕事がおしまいというわけではありません。夏を越し、秋になれば、小さな実を結びます。
春には花で季節を知らせ、秋には実で季節を知らせる。
植物というものは、カレンダーも時計も持っていないくせに、人間よりよほど正確に季節を知っているようですね。
もっとも近年は、その季節の方が少々あやしくなっておりますけどね。
「暑さ寒さも彼岸まで」と昔の人は申しましたが、このところは暦通りにいかないことばかり。それでも木々は黙って花を咲かせ、実を結び、葉を落としながら一年を刻んでおります。
さて、あほまろは長年、この赤い実を「ハナカイドウの実」と呼んできました。
ところが、少し調べてみると、話はそれほど単純ではないようなのです。一般にハナカイドウと呼ばれるものにも実はできますが、結実の程度には個体差があり、よく実をつけるものとして「ミカイドウ(実海棠)」と呼ばれる近縁のカイドウもあります。そのため、花だけならともかく、実を見ただけで「あれはハナカイドウ」「こちらはミカイドウ」と簡単に決めつけるのは、どうやら植物の世界では少々乱暴なようですね。
でも、あほまろにとっては、毎年ここで花を眺め、秋には赤い実を眺めてきた、いつもの「ハナカイドウ」なのですよ。植物学者になるつもりもありませんから、
「今年もハナカイドウの実が赤くなったね」それで良いことにしております。
名前というものは、人間が後から勝手につけたものですからね。木の方は、
「私はハナカイドウでしょうか、それともミカイドウでしょうか」
なんて悩んでいるはずもありません。悩んでいるのは、いつだって人間の方なのですよ。
この小さな実は、直径一センチほどでしょうか。見た目は小さなサクランボのようで、赤く熟してくると、いかにも美味しそうに見えるのです。
ところが、見た目に騙されてはいけません。あほまろは以前、好奇心に負けて一粒口にしたことがありました。
これがまあ、酸っぱい。おまけに渋みというか、えぐみというか、とても「もう一個いただきましょう」と手が伸びるような味ではありませんでしたよ。
すぐに、「こりゃ駄目だ」と吐き出してしまいましたけどね。
自然というものは実によく出来たもので、赤く色づけば人間は「美味しそう」と思うようになっております。
ところが、赤いものがすべて甘いとは限りません。
見栄えと中身は別物。これは果実だけではなく、人間社会にもずいぶん当てはまりそうですけどね。
鳥たちにとっても、どうやら第一希望のご馳走というわけではないようです。
カラスやヒヨドリなどが、ほかに食べ物が少なくなる冬場についばんでいる姿を見かけることはありますが、熟した途端に争って食べ尽くしてしまうような人気商品ではありません。
そのおかげでしょうか、赤い実は長いこと枝先に残り、秋が深まり、葉が落ちてからも、小さな赤い点となって冬の景色を飾ってくれることがあります。
つまり人間にも鳥にも、「ほかに何かないの?」と言われながら、最後まで残っている実なのかもしれませんね。
なんとも気の毒ですが、だからこそ、あほまろは好きで観察しているのです。
華やかな春の花は誰でも褒めてくれます。
ところが秋になり、雨に濡れながらひっそり赤くなった小さな実に目を留める人は、それほど多くありません。
毎朝同じところを歩いているからこそ、昨日まで緑色だった実が少し赤くなったことに気づき、また一つ、浅草の季節が動いたことを知ることができるのです。
季節というものは、大きな音を立ててやって来るものではないのでしょうね。
一粒の実が赤くなった。彼岸花が一本咲いた。蝉の声が聞こえなくなった。朝の空気が少し冷たくなった。
そんな小さな変化を積み重ねながら、いつの間にか夏が去り、秋になっているのです。
今朝の外気温は20℃。今日も秋雨前線の影響を受け、雨の朝となりました。
このところ本当によく降りますね。こうも連日のように雨が続くと、空だけではなく、こちらの気分まで湿ってきそうです。
雨の日くらい散歩を休めば良いではないか、と言われることもあります。
確かにその通りなのですよ。誰に頼まれたわけでもありません。雨の日に浅草寺へ行かなかったからといって、観音さまから電話がかかってきて、
「あほまろさん、今朝はどうしました」
なんて催促されることもありません。
ハトのビクトリー君だって、カラスのお浅ちゃんや観太郎君だって、「欠勤届を出してください」などとは申しません。
それなのに、いつもの時間になると目を覚まし、外を眺め、雨が降っていれば傘を持ち、カメラを抱えて出かけてしまうのです。
もうこれは散歩というより、長年身体に染みついてしまった生活のリズムなのでしょうね。
晴れた日だけ歩いていたのでは、晴れた浅草しか残りません。
雨の日には雨の日の浅草があり、雪の日には雪の日の浅草があり、何も起こらない朝にだって、何も起こらなかったという大切な記録があります。
そして今日のような雨の朝だからこそ、濡れたハナカイドウの赤い実が、いつもより美しく見えることもあるのですよ。
もし雨だからと家に閉じこもっていたなら、今朝の赤い実には出会えなかったでしょう。
そう思えば、雨もまんざら悪者ではありませんね。
ただし、空模様の方はまだ落ち着いてくれそうにありません。昨日16日夜には、マリアナ諸島で大型の台風25号「ドゥージェン」が発生しました。18日から19日ごろに小笠原諸島へ接近した後、シルバーウィークの5連休には東日本へ近づくおそれがあるとされています。ただし、まだ進路予想には幅がありますので、今後の情報を注意して見ておく必要がありますね。
しかも本州付近には秋雨前線が停滞しているため、台風本体がまだ遠くにあっても、暖かく湿った空気が前線へ流れ込めば、雨が強まる可能性があります。つまり台風だけ見て「まだ遠いから大丈夫」と安心するわけにもいかないようです。
せっかくのシルバーウィークです。行楽の秋、旅行の秋、食欲の秋――と、人間は勝手にいろいろな「秋」を用意しておりますが、お天道さまには連休など関係ありません。
台風にも祝日はありませんからね。それでも、あほまろは明日の朝も、いつもの時間になれば外へ出るのでしょう。
風が吹けば帽子を押さえ、カメラを濡らさぬよう気をつけながら、いつもの道を歩くのです。いったい何のために、毎朝そこまでして歩いているのでしょうね。
健康のためでしょうか。
写真のためでしょうか。
日記を書くためでしょうか。
それとも、ビクトリー君やお浅ちゃんたちに逢うためなのでしょうか。
長く続けているうちに、もう理由など必要なくなってしまったのかもしれません。
ただ歩く。
ただ見る。
そして、昨日と今日の違いを一つだけ見つけて帰ってくる。それだけで良いのでしょう。
今朝は、雨に濡れた小さな赤い実が、「ほら、もう秋ですよ」と教えてくれました。
あほまろが毎朝歩き続けている理由なんて、本人にもよく分かりません。
でも、分からないままで良いのかもしれませんね。
理由を探すために歩くのではなく、歩いているからこそ、季節の方から理由を見せてくれる。そんな朝があるから、明日もまた歩いてしまうのでしょう。
今朝の狂歌
「雨つづき それでも歩く 朝の道 赤い実ひとつ 秋を教える」
そして、もう一首。
「誰のため 歩くと問われ 首かしげ カラスに先を 越されるあほまろ」(阿呆人也)
明日の朝も雨なら雨で、また今日とは違う浅草が、きっと待っていますよね。
境内の彼岸花。
今朝の日の出は午前5時24分。
境内の片隅で、通称「便所コオロギ」などとも呼ばれる、長い脚のカマドウマ君に出会いました。夜明け前の浅草には、人間が目を覚ますより先に活動している小さな住人がいっぱいなのですよ。
おはようございます。今朝は開門4分前にやって来た、野崎さんと高橋さん。
守護さんと梶原さんも加わって、おはようごじます。
子育地蔵さま、わが家の子どもたちと猫の安全をお守りください。
日本のナイチンゲールと称される瓜生岩子像。
そろそろ色づき始めるイロハモミジです。
定点観察を続けているソメイヨシノの木。あほまろは、風格ある幹や力強く伸びる枝ぶりはもちろんのこと、とりわけ葉の移ろいに心を惹かれております。
昨年から落ちることなく枝に残り続けている三枚の葉がありましたが、雨で一枚の葉が散ってしましました。これからもあほまろは毎朝逢いに来ますので、いつまでも頑張ってくださいね、
奥山に仮設の小屋ができておりました。何か販売するのでしょうかね。
令和の大改修を終え、広々とした境内西広場。以前とはまったく違う景色になりましたが、開放感あふれる新しい浅草寺の表情が広がっております。
お店の取り壊し作業が終わった伝法院通りでは、これから石垣や塀の補修工事が始まるのです。
あほまろは今日も秘密基地にて、「浅草は、朝が深い」の原稿書きに勤しみますよ。
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夕べの睡眠は60%でした。
おはようヒロちゃん。
今朝の朝の朝食は、チョリソーの玉子焼きにコッペパン。デザートは巨峰。
妻のコレクションは、八千代さんと朋子さん。
昨日の東京スカイツリー。
しゅと犬くん。
あほまろお帰りなさい。
夕べの夜の夕食の晩ご飯は、鳥肉と野菜の蒸したのに、パン。
妻のコレクションは、真美子さんとアスリーちゃん。
MemoiPhone 17 ProMAX