今朝の外気温は27℃。朝から蒸し暑さを感じましたが、散歩の途中から小雨が舞い始めたおかげで、それほど汗ばむこともなく歩くことができました。ただし、帰り道では雨脚が少し強まり、結局は濡れてしまいましたけどね。
猛烈な暑さが続いた酷暑のピークは、どうやら越えたようですが、秋の涼しさにはまだ少し早いようです。気温が多少下がっても湿度が高いため、まとわりつくような不快な蒸し暑さは、しばらく続きそうです。
暑さは峠を越えても、今度は湿気とのお付き合い。秋風が待ち遠しい今日この頃ですよ。
今日は「男はつらいよの日」なのだそうです。
昭和44年(1969)8月27日、渥美清さん主演、山田洋次監督の映画『男はつらいよ』シリーズ第1作が劇場公開されました。上映時間は91分、当時の入場料は450円だったそうです。それを記念して、8月27日は「男はつらいよの日」と呼ばれるようになったとのことです。
あれから57年ですか。57年という歳月を数字で見るとずいぶん長く感じますが、寅さんの顔を見ると、不思議なことにそれほど昔のこととは思えません。あの帽子、腹巻き、雪駄、くたびれたトランク。そして、ちょっと猫背になって歩きながら、余計なことを言っては騒動を起こし、最後には自分が傷ついて旅に出てしまう。
あほまろは、『男はつらいよ』がこれほど長く日本人の心を捉えてきた理由は、寅さんが「日本人の理想像」だったからではないと思うのです。
映画が始まった昭和44年、日本は高度経済成長の真っただ中でした。山田洋次監督自身も、第1作が公開された1969年について、高度成長期の途上で国全体に活気や勢いがあった時代だったと振り返っています。
地方から若者たちが東京や大阪へ出てきて、会社員となり、団地に住み、電化製品を買い、自動車を持つことが豊かさの象徴になっていきました。
日本中が前へ前へと急いでいた時代です。
ところが、そんな時代に寅さんだけは、まるで逆方向へ歩いていました。定職もなければ、家もない。給料日もなければ、出世もありません。
高度経済成長が「もっと働け、もっと豊かになれ」と国民の尻を叩いている横で、お金はありませんが、時間だけはたっぷりある。
「狭い日本、そんなに急いで、どこへ行く」
とでも言うように、トランクひとつ持って全国をふらふらしていたのです。考えてみれば、ずいぶんぜいたくな生き方ですよね。
現代では、もしかすると一番手に入りにくい財産かもしれませんね。
しかし、今になってこの映画を見返すと、あほまろは寅さんの恋よりも、別のところに目が行くようになりました。
それは、映画の背景なのです。
柴又帝釈天の参道は今も昔の面影をよく残しています。寅さんが旅をした日本各地の風景は大きく変わってしまいました。
小さな木造駅舎。
改札口に立つ鋏を持った駅員。
ホームのベンチ。
煙を吐きながらやって来る蒸気機関車。
駅前旅館。
商店街の看板。
駅に停まる古いバス。
舗装されていない道。
そして、そこを歩いていた普通の人々。
撮影当時は、スタッフも観客も、それらを「貴重な歴史資料」だとは思っていなかったでしょうね。
ただ、そこにあったから映っただけです。ところが半世紀以上が過ぎた今では、寅さんの背後に偶然写り込んでいたものまでが、かけがえのない昭和の記録になっているのです。
映画というものは、不思議なものですね。主役を撮っていたはずなのに、歳月が過ぎると、背景のほうが主役になってくる。
これは、あほまろが毎朝、浅草を撮り続けていることにも、どこか通じるような気がするのです。
あほまろが朝の浅草寺でカメラを向けている時、そこに写っているのは、ごく普通の「今朝の浅草」です。
いつもの雷門。
いつもの仲見世。
いつもの本堂。
いつもの朝友。
いつもの鳩。
今日撮った一枚だけを見れば、たいした記録ではないかもしれません。
しかし、十年、二十年と経てばどうでしょう。
境内が変わる。
看板が変わる。
店がなくなる。
建物が建て替えられる。
人々の服装が変わる。
観光客の国籍も変わる。
カメラがスマートフォンになり、やがてスマートフォンさえ別のものになるかもしれません。
そして何より、そこに写っていた人がいなくなります。
「いつもの風景」というものは、実は一日たりとも同じではありません。
今日の「いつも」は、明日にはもう過去なのです。だから、記録とは、珍しいものだけを撮ることではないのでしょう。
何でもない今日を、今日のうちに残しておくこと。
それが記録なのだと、あほまろは『男はつらいよ』を見るたびに思うようになりました。
久しぶりに寅さんを見ると、あほまろが会っているのは、渥美清さん演じる車寅次郎だけではありません。
「もう戻れない日本」に会いに行けるのですからね。
あほまろには『男はつらいよ』について、忘れることのできない思い出があります。
昭和45年(1970)の春のことでした。当時、北海道の国鉄で蒸気機関車の運転助手をしていた同級生から、
「映画のロケでD51 27号機を回送するから、小沢駅まで見に来ないか」と誘われたのです。
もちろん行きましたよ。汽車好きのあほまろに、そんな話をして「行かない」という選択肢があるはずがありませんからね。
その映画こそ、シリーズ第5作『男はつらいよ 望郷篇』でした。
公式のロケ地記録にも、小樽築港機関区でD51 27号機が登場し、函館本線を走って小沢駅へ至る場面が記録されています。小沢駅では、寅さんが蒸気機関車に乗務する親分の息子を追いかけてやって来る設定でした。
当時のあほまろにとっては、ただ面白くてロケを見ていただけだったのでしょう。
まさか半世紀以上も経ってから、「あの日の光景こそ、もう二度と戻ってこない昭和だった」と思い返すことになるとは、夢にも思いませんでしたよ。
『望郷篇』が封切られると、あほまろは有楽町の映画館へ観に行きました。
スクリーンにD51 27号機が現れ、小沢駅が映る。映画を観ながら、「ああ、ここに俺もいたんだ」と、胸の中でひとり得意になったことを覚えていますよ。
寅さんの人生を眺めながら、あほまろは時々思います。自分には寅さんのようには生きられません。
しかし、心の片隅には昔から、「風の吹くまま、汽車に乗ってどこかへ行ってみたい」という気持ちがありました。
目的地より、そこへ行くまでの鉄路が楽しい。
知らない駅で降りてみたい。
窓の外を流れていく町を眺めていたい。
次の列車まで時間があるなら、駅前をぶらぶらしてみたい。
そんな気持ちが、あほまろを「乗り鉄」に夢中にさせたきっかけの一つだったのかもしれません。
考えてみれば、寅さんも乗り鉄だったのかもしれませんね。
ただし、寅さんの場合は時刻表よりマドンナ優先。あほまろは汽車を追いかけ、寅さんは女性を追いかける。そして、どちらもなかなか目的地には着かない。
人生なんて、案外そんなものなのでしょう。効率ばかり求めれば、目的地へ最短距離で着くことが正しいのでしょう。
しかし、人生の思い出になるのは、案外、途中で降りた駅だったり、乗り遅れた汽車だったり、道草をした町だったりするものです。
寅さんは、それを半世紀も前から教えてくれていたのかもしれません。
今日は「男はつらいよの日」。久しぶりに寅さんに会いたくなりました。けれど、今スクリーンの中で会いたいのは、寅さんだけではありません。
D51 27号機にも、小沢駅にも、あの頃の北海道にも、そして昭和45年の春、撮影現場を目を輝かせながら眺めていた若い頃の自分にも、もう一度会ってみたいのです。
映画の中では、汽車はいつまでも走っています。寅さんも、いつまでも旅を続けています。
そして、あほまろの写真の中では、浅草の朝もまた、いつまでもあの日のまま残っています。
人間だけが歳を取る。写真も映画も歳を取りません。
だから人は、ときどき古い写真や映画を開いて、置いてきてしまった時間を迎えに行くのでしょう。
そして、今のあほまろなら、こんな一首も詠みたくなります。
「いつの日か 背景だった町と人 いずれ主役で昭和を語る」(阿呆人也)
今日の一枚が、いつの日か誰かにとって、「もう戻れない浅草に会える一枚」になるかもしれませんからね。
いつもの観音裏広場。今日と明日は、ここが浅草サンバカーニバルの山車を製作する作業場になるのですよ。
浅草サンバカーニバルまであと2日。開催は29日(土)ですよ。
今朝の日の出は午前5時09分。
ハナカイドウの実。
先ほどまで静かに舞っていた小雨も、いつの間にか雨脚を強め、辺りを濡らす本降りの雨へと変わってきましたよ。
手水場で雨宿りをしていると、ギリシャからいらした女性が「沙竭羅龍王像(しゃからりゅうおうぞう)」をじっと見上げながら、
「素晴らしい美術品ですね」
と、おっしゃっていましたよ。
信仰の対象である龍王さまを、一目見て「美術品」と感じられるとは、さすがですね。
「これは日本を代表する彫刻家・高村光雲の作で、水をつかさどる龍宮の王を表した像なのですよ」と教えてあげました。
すると女性は、あらためて龍王さまを見上げ、興味深そうに眺めておりましたよ。
雨宿りをしていたからこそ生まれた、ほんの短い異文化交流。水をつかさどる龍王さまの前で、雨が取り持ってくれたご縁というのも、なんだか出来すぎた話のようで面白いですね。
どうやら美術関係のお仕事をされている方のようでした。
おはようございます。今朝は開門2分半前にやって来た、野崎さんと高橋さん。
おはよう益美さん。これから熊本に出かけるとのことでした。
子育地蔵さま、わが家の子どもたちと猫の安全をお守りください。
日本のナイチンゲールと称される瓜生岩子像。
そろそろ、境内を賑わせていたセミの鳴き声も終わりに近づいてきましたね。夏の終わりを告げる、
まさに**「セミファイナル」**といったところでしょうか。
もうしばらくすると、あれほど騒がしかった蝉時雨も聞こえなくなり、浅草にも静かな秋の気配が忍び寄ってくるのでしょうね。
深い緑に包まれたイロハモミジ。
定点観察を続けているソメイヨシノの木。あほまろは、風格ある幹や力強く伸びる枝ぶりはもちろんのこと、とりわけ葉の移ろいに心を惹かれております。
昨年から落ちることなく枝に残り続けている三枚の葉があります。新しく茂った深緑の葉にそっと覆われ、その存在に気づく人はほとんどおりませんが、あほまろは毎朝、その葉の姿を探してしまうのでございます。
令和の大改修を終え、広々とした境内西広場。以前とはまったく違う景色になりましたが、開放感あふれる新しい浅草寺の表情が広がっております。
お店の取り壊し作業が終わった伝法院通りでは、これから石垣や塀の補修工事が始まるのです。
あほまろは今日も秘密基地でダラダラ過ごしますよ。
-------------------------------------------------------
おはようヒロちゃん。
今朝の朝の朝食は、肉と野菜の煮物にクルミパン。デザートはモモ。
妻のコレクションは、カサンドラさんとビビアンさん。
昨日の東京スカイツリー。
しゅと犬くん。
あほまろお帰りなさい。
夕べの夜の夕食の晩ご飯は、あほまろが作った焼きそば。デザートはモモのまるかじり。
妻のコレクションは、アスリーちゃんと真美子さん。
MemoiPhone 17 ProMAX