「ななつ星」の最終日は鹿児島中央駅からです。前回と同様、早朝４時前に目覚めてしまったので駅の外に出てみまししょうね。
　まだ誰も居ない改札口なので勝手に出てしまいましたよ。でも、ちゃんと「ななつ星」の乗車証明書を持っているので問題ありませんよ。

　始発の新幹線は6時8分発の博多行きのようなので、暫くは開かないようですが、改札の外の通路には電気が点いていて、常に行き来できるようです。

　新幹線が出来る前の西鹿児島駅は何度も利用したけど、鹿児島中央駅になってからは「ななつ星」での立ち寄りと、新幹線を利用した一度だけですよ。

　鹿児島本線と日豊本線の正式な終点は隣の鹿児島駅ですが、鹿児島本線の列車は大半が鹿児島中央駅で折り返すため、当駅は鹿児島本線と日豊本線の事実上の終点として機能しているようです。

　駅の西口と桜島口どちらに行ってもまだ人影はありませんでしたが、西口のベンチで寝ていた人が突然大きな声を出して立ち上がったのにビックリ。誰かの名前を叫んでいた酔っ払いでした。

　こちらがメインの桜島口です。

　観覧車の有るアミュプラザ鹿児島。

　誰も居ない駅前商店街を歩いてみました。



　4:40、鹿児島中央駅出発なのでこれ以上ゆっくりできませんね。

　ホームに戻ると、総ての電気が点灯しておりました。

　我が７号車です。女房は就寝中なのでブラインドは閉じておきました。



　夜中に機関車を入れ替えたので、車掌さんがブレーキ試験をしておりました。




　おはようございます。

　クルーの加藤さんは西口のコンビニに新聞をとりに行ったようでしたが、外ではお逢いできませんでしたね。

　鹿児島中央駅を定刻4:40に出発しましたが、辺りはまだ真っ暗、吉松駅の手前で日が出て来たようでした。

　最終日は１号車が先頭なので、一日中この眺めを楽しめるのですが、濃い朝霧で何も見えません。

　6:18、吉松駅到着。

　7:25、出発なので一時間以上も吉松駅に停車。いつものように外に出てみました。

　この駅もあほまろ以外は誰も出て来ません。と言うか、まだ寝ているのでしょうね。


　始発の鹿児島中央行が入線してきたけど、ここでは誰も乗りませんでした。

　霧に霞む「ななつ星」。

　ホームに設置された顔出し看板は、「はやとの風」と「いさぶろう・しんぺい」どちらも始発・終着駅。

　吉松駅では、駅員と始発列車の運転手がおしゃべりの最中でしたが、会話に割り込んで入場券ください！
　かつてこの駅は鹿児島本線と日豊本線で、幹線の分岐駅として賑わっていた時代もあったのですが、現在は吉都線と肥薩線、二つの小さなローカル線の接続駅としての役目を持つに過ぎないのです。

　駅前には、往時を偲ぶ「肥薩鐵道開通記念碑」と、「百周年記念碑」などが並んでおります。

　駅前広場がきちんと整備されています。前回は、夏休みの最中だったので、ここで子どもたちがラジオ体操をしておりましたよ。

　ここには、C55形蒸気機関車52号機が静態保存され、吉松の町と鉄道との関わりを紹介する展示館なども設けられております。


　いつも綺麗に整備されているので、いつでも復元出来るかもね。


国鉄完乗をしていた時、駅の売店で「汽笛饅頭」を買ったことを思い出しました。確か、函館本線の小沢駅の「トンネル餅」にそっくりでしたよ。あれ、まだ売られているのでしょうかね。

　まだ朝霧は消えないので、余計な物が隠れているのを良いことに、様々な角度から「ななつ星」を捉えてみましたよ。





　あっち行ったりこっちに行ったり、いっぱい写真を撮ってそろそろ飽きてしまいました。

　吉都線都城方面行きの始発列車が入ってきました。

　始発駅から２両編成でしたが、乗ったのは高校生ひとりだけ。

　ようやく出発時間となりました。

　「山線」の愛称で親しまれる吉松〜人吉間は門司〜鹿児島間を結ぶ九州縦貫鉄道として、明治42年11月に完成したのでした。
　JR九州管区内で利用者が極端に少ない吉松〜人吉間については廃止の可能性も取り沙汰されていたのでしたが、2004年3月の九州新幹線部分開業を期に、これらの観光資源に着目し、観光路線としての整備が進められ現在も生き延びているのです。
　JR九州で最多を数えるトンネル数、山間のループ線、スイッチバック、木造駅舎などの景観などが見所の観光路線

　矢岳〜真幸間は日本三大車窓のひとつで、霧島連山や遠くに桜島も見える絶景ポイントが続くのです。今朝は朝霧が濃かったので珍しい雲海も発生しておりました。

　遠くに薄く霞んで見えるのが桜島です。前回「いさぶろう・しんぺい号」で通過した時は桜島の奥の開聞岳も見えていましたが、今回は見えてませんが、珍しい雲海が見られたのがラッキーでした。

　矢岳駅は肥薩線最高所の標高536.9ｍですが、ここはもうちょっと昇ったところですよ。


　「日本一の車窓風景」の案内看板も設置されており、矢岳越えの列車はここで徐行および一時停止を行うようです。




　この他の日本三大車窓は、JR東日本篠ノ井線の姨捨駅と、JR北海道根室本線新内駅付近の狩勝峠ですが、廃線となって現在は見られないので、日本二大車窓になってしまいましたね。

　ここからは過酷な難工事が行われたトンネルが続くのです。

　列車は有名なループ線に差し掛かりましたが、上り列車なので急勾配を下って行くのです。

　位置の情報が解るように、iPadを置いてみましたよ。


　ループ線を終えると、大畑駅のスッチバック用の線路に入って行きます。

　これから下の線路で大畑駅に入線するのです。


　ポイントが切り替わって、バック運転でホームに侵入します。


　蒸気機関車時代は、ここで運転助手が降りて旗で機関車を誘導していたのですよ。



　大畑駅のホームでは、名誉駅長が手を挙げておりました。

　日本で唯一、ループ線の中にスイッチバックを併せ持つ駅なのです。

　ななつ星の停車位置表示が見えてきました。機関車はここまでバックするのです。

　大畑駅には名誉駅長が複数人いらっしゃるようですね。みなさん、かつての国鉄職員でこの駅に勤務していたとか。

　8:15、大畑駅到着。名誉駅長が立っている場所が乗降口の位置。ここでは中間の４号車が乗降口となりました。

　みなさん、大畑と書いておこばと読めますか？この付近では、焼畑を「こば」と称し、その昔大きな焼畑があったことからこの地名が付けられたらしい。

　肥薩線は、「日本の２０世紀遺産」に選定され、大畑駅周辺の鉄道施設遺産、石造りの給水塔、および朝顔型噴水が南九州近代化産業遺産群の物資輸送関連遺産の1つとして選ばれているのです。

　ホームに設けられた洗顔用の湧水盆。ここまでトンネルの連続だったので、乗客は煤で顔や手が汚れてしまうので、この湧水盆で洗顔をしたのでした。

　木造の駅舎は開業当時のものですが、観光列車「いさぶろう・しんぺい」のリニューアルにあわせて窓枠を木造に戻すなど、開業当初の雰囲気を再現する改装が行われたそうです。

　地元の農家の方々、農作物を販売しておりました。

　この駅に名刺を貼ると出世出来るそうです。

　あほまろはもう出世したく無いけど、ここに来るたびに名刺を貼って帰ってますが、今年は台風が多かったので外側の名刺のほとんどが飛ばされてしまったようで、今年７月に貼った名刺すら無くなっておりました。それに懲りず、今回は糊を持参して内と外に貼って帰りましたよ。

　駅長室は休憩所になっておりました。

　お茶と、地元で採れた栗の漬物を頂きました。

　蒸気機関車当時の写真がいっぱい飾られております。あほまろが大畑駅に始めて訪れたのは昭和４３年なので、まだ蒸気機関車時代だったので、懐かしく写真を拝見いたしました。

　平成天皇陛下も皇太子殿下時代に訪れたようですね。

　名誉駅長と車掌の水上さんです。

　ななつ星の写真も飾られています。乗り鉄も良いけど、この駅だけは撮り鉄したかったね。

　みなさん外に出ているのに、我が女房は社内で滞在中。

　列車が揺れるので車酔いしてしまったようですが、あほまろは車窓と写真に夢中で揺れなんか感じませんでしたけどね。

　53分間停車の大畑駅では、時間が余りすぎですね。

　おや、駅の隣の旧保線詰所跡を改装したレストランが開業しておりました。

　このレストランは、今年（平成30年）9月8日にオープンしたばかりのようですが、こんな所に食事に来る方、いらっしゃるのかな。

　レストランの前には、蒸気機関車時代の給水塔が残っております。

　ここを昇ると神社ですが、前回お参りをしたので今回はパスしました。

　9:07大畑駅出発。左はピアノのお姉さんです。

　大畑駅を出発しました。次はいつここに来られるのでしょうね。

　9:20、人吉駅に到着しました。

　お隣に並んだ列車は、特急「かわせみ やませみ」です。

　みんなに見られるので、ブラインドは下ろしておきましたよ。

　特急「かわせみ やませみ」は去年運行を始めた「D&S列車」としては11番目に位置付けられている観光列車で、あほまろは去年１０月に乗りましたよ。

　女房もこちらの列車のデザインがお気に入りのようで、次回はこれで旅をしましょうかね。

　熊本から「かわせみ やませみ」で人吉に来て、かつての湯前線、現在のくま川鉄道に転換した観光列車「田園シンフォニー」にも乗ってみたいですね。

　人吉から「いさぶろう・しんぺい」で吉松に行き、そこから「はやとの風」で鹿児島中央駅。鹿児島では天文館で遊んで一泊、翌日は「指宿のたまて箱」で指宿温泉にも行きたいな・・・。と、思っただけで、実現出来るかどうかは未定なのさ。

　今年二度目の人吉駅です。


　前回は人吉の街をひとりで歩き回りましたが、今回は女房と二人で散策しましたよ。まずは、立ち寄り観光地にもなっている「青井阿蘇神社」に始めて訪れました。熊本県阿蘇市の阿蘇神社の祭神12柱中の3柱とかで、ご利益ありそうなので、あほまろと家族の健康を願ってまいりました。

　そしてタクシーで、久しぶりの人吉クラフトパーク石野公園に行ってみました。

　ここは、平成9（1997）年に、TVCMのロケで訪れた懐かしいところで、時間も有るので寄ってみたかったのです。
　

　この熊本名物きじ馬、荒井注さんがまたがった当時のままの場所に置かれてましたよ。

　この人吉クラフトパーク石野公園は、人吉市営で人吉球磨の歴史を学び、文化に触れることができる体験型のテーマパークで、様々な展示物や工芸体験の他に、売店やキャンプ場、ちびっこ広場もあり、一日中遊ぶことができる公園ですが、最近は訪れる人も少なくいつも閑散としているとか。

　どこの街もそうだけど行政が大量の血税がつぎ込んでの施設開発に頼ったまちづくり、いわゆる「箱モノ行政」の一貫で、これも失敗例の一つでしょうね。

　これでも撮影で訪れた頃には賑わっていたのですが、我々が当日の初来場で、滞在した一時間ほどの間は、他に誰も来ませんでした。

　おかげで、展示がいい加減でどこもスカスカ。これが行政のお仕事なのですね。展示品が盗難に遭わないように、鍵をかけて解説も無く詰め込んだだけの展示でした。

　こちらは規模の大きいお土産屋。埃を被った伝統工芸品が並んでいましたが、売る気の無い価格設定とやる気の無いおばちゃんがひとり、レジより我々の動向を探っているだけでした。

　おばちゃんの目線からずれたオモチャコーナーには、昭和レトロのオモチャが並んでいます。目に付いたのが、パチモノリカちゃん人形「ラブリーリンちゃん」、日に焼けた価格表示は２００円でしたが、売れそうも無いね。

　熊本名物きじ馬 コーナー。どれも本物なのでお高いようでした。

　球磨焼酎コーナーもありましたが、埃を被って並んでいるだけで試飲なんてございません。

　かつての賑わいを懐かしく思い出させてくれただけの人吉クラフトパークでありました。

　人吉駅に戻って、くま川鉄道の観光列車「田園シンフォニー」です。

　あほまろは旧国鉄湯前線には乗りましたが、くま川鉄道になってからはまだ乗っておりません。
こちらも水戸岡氏がデザインをした観光列車で、KT-500型の「田園シンフォニー」は3両編成で運行するようです。「春・夏・秋・白秋・冬」の５両在籍しているとか。

　人吉駅には、SL人吉で使用するターンテーブルと石造の機関庫も残っております。

　かつては、特急や急などの優等列車が停車していましたがｍ2016年3月26日ダイヤ改正で優等列車が全て廃止され、名だけの特急列車「かわせみ　やませみ」が唯一の優等列車ですね。

　「ななつ星」も優等列車の仲間ではありますが、人吉ので乗客扱いは無く、単なる停車駅。

　それも、9:20~12:46まで、３時間２６分も停車しているのです。

　熊本からの臨時快速列車「SL人吉」が入ってきました。

　この蒸気機関車「58654（8620形）」は、矢岳駅前のSL展示館にて静態保存されていたのを復元された蒸気機関車です。

　1988年8月28日に熊本 - 宮地間運行の快速「SLあそBOY」として営業運転に復帰していたのですが、運行中に車両故障を起こして修復不能と判断され、2005年3月に休止されてしまったのです。

　その後小倉工場で新造に近い修復がなされ、肥薩線開業100周年の2009年（平成21年）4月25日より、熊本 - 人吉間を「SL人吉」として運行しているのです。

　あほまろは昨年１０月、人吉から熊本まで｢SL人吉」に乗りましたよ。

　｢SL人吉」の最後部も「ななつ星」同様の展望室になっているので、あほまろはず〜っと展望室で車窓を楽しんでおりました。

　運転席の環境だけは今も往時と同じく厳しい環境ですね。

　それでも機関士も機関助手も観光客に笑顔を振りまいておりましたよ。あほまろが中をのぞき込んでいると、機関助手が石炭一個差し出してくれました。ちゃんと持って帰りましたよ。さすがJR九州ありがとうございます。
　お疲れさま。帰路は運転手の交代するようで、私物の荷物を受け取っておりました。

　「SL人吉」の50系客車のリニューアルも水戸岡鋭治のデザインによるものです。

　展望ラウンジの視界が拡大され、良い眺めでしたよ。

　「SL人吉」から降り立った乗客のほとんどが中国人観光客でした。

　そろそろ「ななつ星」出発の時間となりました。

　「ななつ星」の旅最後のお食事は、人吉の料亭「あゆの里」特性お弁当でした。

　この器も「ななつ星」の為に創作された器のようで、高級感がありましたが、

　蓋を開けると、個別に分けられたお料理は人吉の田舎料理でありました。これも雰囲気は良かったかも。

　途中の「一勝地」駅で下り「かわせみ やませみ」と交換のための停車。

　この後球磨川沿いを走りましたが生憎の雨になりましたが、これも最終日なので由としましょう。

　到着までおよそ1時間半前、全員一号車「ブルームーン」に集合し、この旅を振り返る「フェアウェルイベント」がの開催です。まずはトレインマネージャーの数澤さんのご挨拶。

　そして楽しかった四日間の思い出写真のスライドショー、出発前の金星でのウェルカムドリンクでの乾杯なんて、うんと昔に思えてしまいましたね。


　旅に参加された１９名全員が写し出されましたが、その中から我々が写っている写真だけピックアップしてみました。

　大畑駅で名刺を貼っているのも写されてましたよ。

　これはネクタイを絞めて初日の夕食ですね。

　今回のクルー九名、ありがとうございました。

　由布院駅で撮った集合写真。スライドショーを終え、部屋に戻って荷物の梱包です。今回の旅でいろいろ買い物をしてしまったので、大きな段ボール一個増えてしまいましたが、発送する荷物３個は部屋の中に置いたままで良くて、クルーが発送手配をしてくれるのです。

　17:31、「ななつ星 in 九州」博多駅到着です。我々は福岡空港より飛行機で帰るので、小雨でしたが、クルーの方々が荷物を持ってくれて、駅前のタクシー乗り場まで見送ってくれました。

　「ななつ星」といえば、高額で豪華な食事などに目を奪われがちですが、魅力はそれだけではありません。クルーの明るい対応と細やかな心遣いなど、経験者にしか解らない真のおもてなしに評価が高いのです。それで、20％以上のリピーター率を誇っているのですよ。

　クルーのみなさんありがとう、さようなら。そしていつかまたお逢いいたしましょう。と言っても、来年２月、またまたDXスイートAに乗ることが決まっているので、リピーター率を更に上がること確かでしょうね。(*^_^*)

Memo
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