令和7年(2025)9月27日(土)旧暦8月6日 先勝
今朝の撮影 Data SONY α1-2 SONY FE 24-240mm/F3.5-6.3 OSS iPhone 16ProMAX 現像 Adobe PhotoshopLightroomCC 撮影枚数XX枚
- 京都で朝を迎えました -
おはようございます。あほまろは京都で朝を迎えました。天は我々を祝福しているのでしょうか、雲ひとつない青空が広がり、爽やかな秋本番の空気が肌に心地よく染み込んでまいります。どうやら今日のお祝い事を見届けろと、天気までが背中を押してくれているようでございます。 さて本日は、叡山電車が百年の歴史を刻む大切な節目。弟子であり、バードビューコミック(Bird View Comics)作家の泉多麻呂が丹精込めて描き上げた沿線鳥瞰図『叡山電車花洛遊覧圖絵』が、いよいよお披露目となります。 出町柳駅一番線の壁面に、堂々と掲げられるその姿を目にするのが、今から待ち遠しいのでございます。 式典はそれだけにとどまりません。その後は八瀬比叡山口駅の2番線ホーム、さらにはイベントスペース「駅テラス」へと移動し、百周年を寿ぐ記念式典が盛大に執り行われる予定です。 そして極めつけは、今年度デビューを控える新車両のお披露目。鉄道好きにとっては、これほど心踊る一日がほかにありましょうか。 もそも叡山電車と鳥瞰図の関わりは歴史的に深く、大正から昭和にかけては、あの吉田初三郎が手掛けた美しく精緻な鳥瞰図が旅人の心をつかみ、沿線を賑わせたものです。 その流れから数えて百年。今度は弟子の筆によって、現代風に生まれ変わった新たな鳥瞰図が出町柳駅の壁面に掲げられるのです。まさに歴史の円環がつながり、記憶と未来が重なる瞬間に立ち会えることは、師匠としての誇りであり、弟子冥利に尽きるのでございますよ。 ここでその全貌をお見せできないのが残念ですが、皆さまも京都にお越しの際は、ぜひ出町柳駅一番線に足を運んでみてください。百年の時を越えて新たに蘇った鳥瞰図が、きっとあなたの旅心をも揺さぶることでしょう。 「百年を 越えてつながる 筆の跡 車窓も絵図も 夢を運びぬ」(阿呆人也) 昨夜は本来ならば、百年の節目を祝うにふさわしい豪華な前祝を、と目論んでいたのですが、さすが京都、観光シーズン真っ只中とあってどの店も満席。やむなく暖簾をくぐったのは、ごく普通の安居酒屋でございました。もっとも、気のおけない仲間と囲む席こそ、何よりのご馳走でございます。 写真に写るのは右から、バードビューコミック(Bird View Comics)作家の泉多麻呂、古写真研究家の町田古麻呂、そして鉄道写真家の煙道伸麻呂。それぞれ専門も個性もバラバラですが、あほまろのもとに集まれば、ひとつの円環のように繋がる不思議な縁を感じます。弟子たちの語らいに耳を傾けながら、あほまろは「百年の歴史を描くのも、こうした人のつながりあってこそ」と、しみじみ噛みしめたのでございました。 なお居酒屋といっても、あほまろはすでに酒を断っておりますので、祝杯はノンアルコール。盃に注がれたのは麦茶のような琥珀色でしたが、気分は十分に酔えるものでしたよ。 「安酒も 仲間揃えば 玉の盃 酔わぬあほまろ 心は満杯」(阿呆人也) ------------------------------------------------------- 夕べの睡眠は87%でした。 昨日の京都行きは、今回も贅沢にグリーン車での移動でした。座席に身を沈め、快適な空間で窓外の景色を眺めながら、「あぁ、これこそ大人の旅だな」とつい独りごちるあほまろでございましたよ。 弟子の泉多麻呂はイベント設営準備に追われておりましたので、京都到着後は、残る3名で嵯峨野線に乗り換え、一路嵯峨嵐山駅を目指しました。目的は、かねてから気になっていた嵯峨野トロッコ列車への乗車です。 実は、あほまろはこれまで何度も保津川沿いを訪れ、その勇壮な景観を外から見てきたものの、肝心のトロッコ列車にはまだ一度も乗ったことがなかったのです。 今回が念願の初乗車。列車の窓から眺める保津峡の絶景に胸を膨らませ、「これでまた一つ旅の夢が叶う」と心弾ませての乗車。 駅員さんが何か持っての見送り。 ところが、現実はなかなか皮肉なものです。車内に目をやれば、乗客の九割方は海外からの観光客。あふれんばかりの熱気と賑わいに包まれて、日本の観光列車とは思えぬ国際色豊かな空間に早変わり。 そして、肝心の座席ときたら、昔ながらの木製の固い椅子で、ガタゴトと身体を揺さぶられるたびに「絶景どころではないじゃないか」と、思わず苦笑いしたのでございます。 それでも、渓谷を流れる保津川のきらめきや、深い緑に包まれた山並みが見せてくれる風景は、さすがに心を奪われるものがありましたけどね。 贅沢なグリーン車から一転、トロッコ列車の素朴さに揺られる時間。これもまた旅の妙味であり、「期待と現実の落差こそ、旅のスパイス」と自らに言い聞かせながら、揺れる車内でしっかりと記憶に刻んだのでございました。 さすがに帰路は観念いたしました。トロッコ列車の固い椅子に揺られては、もう十分に風情も味わったと自分に言い聞かせ、馬堀駅からはJRに乗り換えて京都へと戻ることにしたのでした。 JRの車内は静かで、クッションの効いた座席に身を預ければ、先ほどまでの木製ベンチの振動が嘘のよう。窓の外に広がる保津川の流れは同じでも、揺れ方ひとつで景色の印象まで変わってしまうのですから、旅とは実に不思議なものです。豪華なグリーン車から素朴なトロッコ、そして安堵のJR普通車へと移り変わる一日。まるで鉄道の縮図を一度に体験したような、そんな帰路でございましたよ。 昼食は京都駅にて、京都名物のにしん蕎麦でございました。澄んだお出汁の香りが湯気とともに立ちのぼり、その上にどっしりと横たわる甘辛く煮含めた身欠きにしん。しっかりと味が染みたその旨みが、蕎麦の喉ごしと相まって、まさに京の伝統を一椀に閉じ込めた逸品でございます。 豪華な会席料理もよろしいですが、こうした素朴な一杯にこそ、京都という町の奥深さがにじみ出ていると感じるのです。旅の合間にいただくにしん蕎麦は、贅沢さよりも心に残る滋味を運んでくれるのでございました。 Memo iPhone 16 ProMAX Leica M11 APO-SUMMICRON-M f2.0/35mm ASPH. TRI-ELMAR-M f4/16-18-21mm ASPH.