『つくづくと』
寒いよ〜!強い雨と肌寒い朝になりました。こんな朝は当然傘を持って出かけなければいけないのですよね。傘があると写真を撮るのに邪魔になってしまうんですけど、しかたがないですよね。特にレンズ交換の時が濡れないようにするのが大変なんですよ。
今朝のナナちゃんも外の気配を感じているのか、全く元気がありません。いつもなら、早く行こうよと玄関で待っているのですが、洗面所の前に座ったままでこっちを見ているだけで、なかなか出て来ようとしなかったんですよ。

散歩の帰りのエレベータの中、ずぶ濡れになってしまったナナちゃんです。いくら北海道犬であっても、都会で産まれ育ったので、今となっては寒さが身にしみているのかも知れませんね。

昨日、テプコ浅草で開催中の「和みのぽち袋と絵封筒展」開催記念講演会を無事に終了しました。折りからの雨とあって、来場者は予定していた人数よりも少なかったのでしたが、それでも30名ほどいらして頂きました。今回の講演は、2部に別れ、前半は謎の絵師小林かいちとその作品について、研究者である生田誠氏と、竹久夢二美術館の学芸員の石川桂子さんによる、かなり学術的見解による考証と解説。中には寝ている方もいらっしゃったようですが、現在、美術界で話題の人物とあって真剣にメモをとっていらっしゃる方も多かったようです。

第二部は、ぽち袋について。あほまろが喋るのですから、学術的な解説なんて出来る訳無いですよね。最初から受け狙いの連発。それまで寝ていらした方もパッチリお目々を開いて笑ってくれましたよ。
何を話したのかというと、ぽち袋とは、遊びの中から派生した文化、正式なご祝儀袋とは違って、正しい礼儀作法なんてありません。どんな使い方をしても許されるのです。それと、江戸時代に地方の大名が財政難を救うために発行した紙幣である「藩札」。これはお殿様の息がかかった大切なものであって、むやみに汚したり折り曲げたりしては相成らん、そんなお触れが滲透した結果、現在でもお札を汚したり折り曲げたりしてはいけないとの風潮が残っていますよね。
ところが、小さいぽち袋に至っては、お札を折らなければ入れることはできません。そんな文化に逆らって普及していったぽち袋には、いったいどんな理由があったのでしょう。実は、あほまろはそれらの理由について長年研究をしてきたので、お得意の分野なんだよね。
結果からいうと、正式なご祝儀では無いので、たとえ小額であっても、「これで折れてもらう」、そんな洒落から生じた小袋だったのです。最初から小さく小さく、それでいて粋で洒落の効いた図柄を配した袋に免じて「折れてもらう」ってことなんですよ。そのように笑いを交え「ぽち袋」に関する蘊蓄を話したことで、参加されたみなさは、口々に面白かった、タメになったとおっしゃってくれたのです。これで何がタメになったのでしょうかね(笑)。
開催前は、参加者を退屈させないように何を喋ろう、あれが良いか、これが良いかと多少は悩んだのですが、終わってしまえば案ずるより産むが易し、みんなが喜んでくれたことで、今回の講演は成功だったようですね。落語家の柳屋さん吉師匠も熱心に聞いてくれましたよ。きっと、高座のネタに使われてしまうのかな・・・。

講演終了後、講演を聴いてくれた銭湯研究家の町田忍ご夫妻と、お休みのところを小島部長に無理をいって、アミューズミュージアムを見物させていただきました。
ミュージアムの屋上で、建設中のスカイツリーを手玉にとって記念撮影。

雨なので真っ暗です。

これじゃスカイツリーが全く見えませんね。

暗くても濡れた舗装道路に反射する光が綺麗でしょ。

ここでレンズを交換して、

『東京スカイツリー』
なんとか写ってましたね・・・。

この時は、土砂降りの雨が降っていたのですよ。

散歩の帰りもまだ降り続いていました。

「和みのぽち袋と絵封筒」展
遊び心たっぷりの「ぽち袋」の世界です。
これっぽちの小ふくろの中に凝らされ、思いもつかない粋なおもしろさに出会えるでしょう。 ぽち袋は小さいので、当然、中い入れるお金もちっちゃいのです。
誰が名付けたのかは知れませんが、「これっぽち」の「ぽち」から派生した言葉じゃ無いのでしょうか。
冠婚葬祭で使われる熨斗袋と違い、非公式の場所での使用に限られているため、めちゃくちゃ粋に洒落た小袋は子どもたちへのお年玉、またお使いのお駄賃など、立場が上の者から下の者にしか使うことが出来ないのが「ぽち袋」なのです。
それまでの心付けは、懐紙に包んだお捻りだったのですが、このぽち袋に変わっていった背景には、郵便制度の導入が大きく関わっているのです。我が国では古来から文章の秘密を保持する手段として紙で包んだ手紙を封紙などで封じて渡していたのでしたが、明治四年に郵便業務開始に伴って郵便局が開設、切手と共に封筒も売られたのです。
ぽち袋が始めて市販されたのは、明治15年、日本橋の和紙店「金華堂」で、それまで和紙の包みであった大入り袋の封筒版でした。その後、東京の和紙屋の「開運堂」、「榛原」、京都の「さくら井屋」などからも次々と洒落た袋が売り出され、全国に普及していきました。それに端を発したのが千社札の交換会から派生した、ぽち袋交換会でした。大正8年5月、浅草仲見世中正倶楽部開催の「江戸会」にて、始めて開催され、凝った意匠のぽち袋が登場したのも、その頃からではないでしょうか。
これっぽちの気になる小ぶくろをお楽しみください。

会場:テプコ浅草館 協力:江戸ネット
会期:2009年9月15日(火)〜11月15日(日)
休館:毎週月曜日(月曜日が休日の場合は翌日)
電話:03(5827)3800
入場無料 |