『今朝の浅草』
まだ雨が降り続いています。しかし、東京はまだ良い方で梅雨前線の影響で東日本、西日本と九州の太平洋側ではいまだに雷を伴った非常に激しい雨が降り、土砂災害や低地の浸水などに注意が出されています。この前線はこれから東海から関東にも影響をもたらすそうなので、これから雨量がさらに増える恐れもあるようです。
浅草寺では、「四万六千日」も終わり、ほおづき業者は総てが去ってしまいました。今朝は電線を取り外し、業者用の枠組みの片づけが始まりました。そんな境内を片づける業者に混じって、様子の違う連中が大勢うろついています。雰囲気からして、映画の撮影隊のようです。規模からいって、テレビのドラマでは無さそうだし、誰かに聞いてみよう。そう思ってスタッフのところに近づくと、なんと知り合いの制作部がいるじゃないですか。
今回の映画は、劇団ひとりの作家デビュー作「陰日向に咲く」の映画だそうです。この小説は、昨年1月に幻冬舎から出版され、売り上げ65万部を記録したのです。5つの短編が絡み合う連作小説集で、それぞれ情けない落ちこぼれが主人公。さえないながらも懸命に生きる個性豊かな登場人物たちの、おかしくも悲しい物語が読者に支持されたようです。激しい争奪戦の末、東宝と日本テレビが中心となる製作陣が映画化権を獲得したのでした。
原作者の劇団ひとりは、かつて浅草のストリップ劇場に努めていたことから、舞台が浅草に決定し、ここ浅草寺境内を中心に撮影が行われるそうです。舞台となる浅草寺境内には、かつての懐かしいハト豆販売所も設置され、今日から三日間、昼夜の撮影に挑むようです。でも、今日は雨の予報なので予定通りに進行できないかも知れませんけど、頑張ってくださいね。
昨夜は、話題の七月大歌舞伎「NINAGAWA十二夜」を観てきました。このお芝居は、シェクスピアの喜劇を演出家の蜷川幸雄氏が鎌倉時代の日本に置き換えて創り直したもので、一昨年に初演され、演劇界に衝撃を与えた作品なのです。一昨年の初演で得た感動が再び蘇ってくるような舞台美術のすばらしさと、大胆なストーリー展開。男性が演じる女性は歌舞伎本来の姿ですが、今回の見所は「女が演じている男」が、大きな見どころの一つなのでしょう。鏡をふんだんに使った斬新な舞台空間の中で、複雑な恋愛模様が面白おかしく展開される。伝統ある和洋の演劇の融合の新鮮さにも感動して帰ってまいりました。
劇中で、道化の捨助が多様する言葉、“アホな利口者たるよりは、利口なアホたれ”、まるであほまろのことのようで、嬉しくもありましたよ(笑)。
そういえば、「陰日向に咲く」の作品の紹介でも、登場する人はみなサエなくて、情けなくて、不器用で、カッコ悪い人たちばかりのようです。しかしそれでも一生懸命生きて、陰日向に咲こうとする姿に誰もが笑い、そして胸を打たれます。日陰の人、日向の人、表の顔、裏の顔。人間ってほんと不器用で、ダメな生き物。でも、それぞれの場所で懸命に、それぞれの花を咲かそうともがいて生きている。それこそ、“アホな利口者たるよりは、利口なアホたれ”たちなのでしょうね。映画「陰日向に咲く」は、2008年新春公開予定だそうです。
『今朝の雷門』
仲見世で、“アホとモモちゃんおはよう!”、自転車に乗った女子高生が大声をあげて走り去っていきました“アホな利口者たるよりは、利口なアホたれ”、朝っぱらから昨日の歌舞伎の台詞が耳鳴りのように残っているところに突然の「アホ」ですか。利口な人間は少なくとも自分はアホなんじゃないかという不安を常に抱えているのですよ。そしてアホな人間は、アホと言われてもアホじゃない!とますますいきり立つ、そういう論理が導き出せるのでしょうね。ところで、あほまろはいったい、どっちなのかな。

『今朝の宝蔵門』

『今朝の浅草寺』

『本堂から宝蔵門』
『本堂から宝蔵門の大提灯』
「陰日向に咲く」の監督とカメラマンがなにやら打合せ中です。せっかくだから、二人の顔を入れたいつもの場所を。
『今朝の一写』
浅草寺の土地部の係員さん。女優さんと楽しそうにお話をしています。撮影現場にはいつも着いていなければいけないお仕事、これが本当の役得っていうのでしょうね。
『今朝の境内』
イベントが終わるたびに「強者たちが夢の後」を感じてしまいますね。少なくても、昨夜の10時頃まではまだ大勢のお客さんで賑わっていたのですから。

四万六千日を終えても、浅草寺本堂内部には二日間だけ限定で売られる「雷除け」がまだ飾られています。境内はスピーディーに片づけられるというのにね・・・。
イベントが終わると恒例のゴミの山。業者の方々はなぜ捨てて帰るのでしょうね。売れ残ったほおづきの鉢も混じってましたよ。

仮設電線を取り外すと、いよいよ鉄骨の撤去が始まるのです。

およそ800個の電球、これを一つづつ手で外す作業は重労働ですよね。

作業を見ているだけで腰が痛くなりそうだよ。
この電線、次は年末の「羽子板市」までお蔵入りですね。いったい何年間使っているのでしょうね。あちこち補修の跡も見えますよ。

映画のスタッフかな。

『今朝の浅草神社』
浅草神社の境内は、撮影隊の準備場所として借りているようです。

いつもの浅草の神田を撮ろうとしたのですが、機材車が邪魔で撮れませんでした。

赤いボックスのようなものが、ハト豆屋さんです。これをかつて場所に運ぶのでしょうね。

とりあえず、浅草の神田の内部だけでも。奥に居る方々は映画の仕出しさんたちです。

撮影のために、水溜まりは人海戦術で片づけていました。
あぁあ、撮影が始まる前にビチャビチャになってしまいましたね。
撮影隊の準備も良いのですが、通路いっぱいに荷物を置いて参拝客の邪魔だけはしないで欲しいよね。いつもの方々に文句を言われて通路を開けるスタッフです。

『今朝のごあいさつ』
ほおづき市のパイプと、撮影の連中でごった返す境内、ワンちゃんも迷惑そうでした。
久ちゃんもやってきました。今度一緒に飲むことになってるんですよね。

『今朝の自転車』
鉄骨で自転車も迷惑そうですね。少なくて、いつもの自転車コレクションとはいきませんでした。

『昨日の浅草寺境内』
昨夜の様子はこちらをご覧ください。
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