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令和8年(2026)9月16日(水)

 おはよう、ビクトリー君。

 今朝も雨が降ったり止んだりの、すっきりしないお天気でしたが、そんな雨の中をビクトリー君はちゃんとやって来てくれましたよ。

昨日は逢えなくて、ごめんなさいね。

昨日の朝は雨脚があまりにも激しかったので、あほまろは開門を待たずに帰ってしまったのです。そのためビクトリー君とは逢えませんでした。

そして今朝は、うれしいことがもうひとつありました。久しぶりに、奥さんのレインボーちゃんも一緒に姿を見せてくれたのです。

このところ長雨が続いていたので、レインボーちゃんは巣からなかなか出られなかったのでしょうか。しばらく姿を見かけなかったので、あほまろもちょっと心配しておりました。

でも、今朝は元気いっぱい。

ビクトリー君に続いて手水場へ飛んで来ると、いつもの棚の上で仲良く並びました。写真を見ると、ビクトリー君は相変わらず胸を張って堂々たるもの。レインボーちゃんも負けずに凛々しい顔をしておりますね。

 夫婦揃って、じっと待っているのは手水場のお水です。

 まだお水が出てこないのかなと、ビクトリー君は手水場を行ったり来たりしておりました。

。

 慌てないで、もう少し待ちましょうよ。

 そんな夫婦の会話でも聞こえてきそうでしたよ。

 ビクトリー君。お水が出るまで、本堂前で乱舞を見せてくれましたので、ご覧下さい。

 さよなら、また明日ね。

 散歩の帰り道、瓜生岩子さんの銅像まで戻ってくると、今朝もお馴染みの顔が待っておりました。

 カラスの貫太郎君と、

 おせんちゃんです。

 子育てを終えたこの二羽、最近ではあほまろの散歩の帰り時間を覚えてしまったようで、瓜生さんのところで待っていることが多くなりましたよ。

 貫太郎君は相変わらず精悍な顔つきで、ちょっと偉そう。おせんちゃんは、その隣で辺りの様子をうかがっています。二羽が並んで瓜生さんの前に立つと、銅像まで一緒になってあほまろの帰りを待っていてくれたように見えるから不思議です。

 そして、いつも瓜生さんを真ん中にして左右に一羽ずつ。これではまるで、瓜生さんの両脇を固める黒装束の用心棒ですね。

 瓜生岩子さんも、生前まさか自分の銅像が百年以上の時を経て、カラス夫婦の待ち合わせ場所になるとは想像もしなかったでしょう。

 それにしてもカラスという鳥は、よく人の顔や行動を覚えているものです。あほまろが近づいても慌てて逃げることもありませんよ。

 人間同士なら「また明日」と約束しますが、鳥たちとはそんな約束を交わしたことなどありません。

 それでも翌朝になると、いつもの場所にいる。

 貫太郎君とは、約束をしない約束。

 おせんちゃん。これも、長いこと同じ時間に同じ浅草を歩き続けてきたから生まれた、小さなご縁なのでしょうね。

 明日の朝もきっと、あほまろが帰って来る頃には、瓜生さんのところで待っていてくれるのでしょうね。
 こうして考えてみると、あほまろの早朝散歩は、行きには鳩に待たれ、帰りにはカラスに待たれる。浅草の朝は、なかなか忙しいのでありますよ。

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