おはよう、ビクトリー君。
雨が降り続き、辺りはまだ夜のように暗いというのに、今朝もちゃんとあほまろのところへ出て来てくれましたよ。
昨日はハート君とちょっとした喧嘩をしておりましたが、その後、仲直りはできましたか。
でも、今朝はハート君の姿がありません。ということは、今日はあほまろを独り占めですね。雨の日くらい、そんな朝があっても良いでしょう。
そうそう、昨日ビクトリー君と一緒に引いた、第九十六番「大吉」のおみくじのことを覚えていますか。
そ こに書かれていた漢詩を調べてみると、最初の一句は、「鶏逐鳳同飛(けい、ほうをおいて、ともにとぶ)」「鶏が鳳凰を追い、ともに飛ぶ」という意味なのだそうです。
鳥のビクトリー君と一緒に引いたおみくじを開いたら、いきなり「鳥が鳥を追って、ともに飛ぶ」と出てくるのですから、これは偶然にしても出来すぎていますよね。
観音様も、なかなか洒落たことをなさるものです。
あほまろも二十六年間、毎朝こうして浅草寺に通いながら、たくさんの人や動物たちと出会い、その一瞬一瞬を写真に残してきました。その記録こそ、いつの間にか舟いっぱいになった宝物なのかもしれませんね。
ビクトリー君、また今度、一緒におみくじを引いてみましょう。
でも、大吉の次は何が出ても文句を言ってはいけませんよ。
そして今朝は、香港からいらしているスリーサさんにもビクトリー君を紹介しました。
雨の中、手水舎の縁にちょこんと止まったビクトリー君を見て、スリーサさんも大喜び。せっかくですから、浅草の朝に出会った二人を一緒に写真に収めてあげましたよ。
香港からやって来た写真家と、浅草寺に毎朝やって来る一羽の鳩。
昨日までは互いに知らなかった者同士が、雨の浅草寺で同じ一枚の写真に収まっている――。
こんな偶然の出会いがあるからこそ、やっぱり、浅草は、朝が深いのですよね。
ここからは、激しい雨にも負けず、目の前で華麗な乱舞を披露してくれたビクトリー君の勇姿をご覧ください。
雨粒を弾きながら大きく翼を広げ、暗い境内を縦横に舞う姿は、まるで今朝も元気だよと、あほまろに見せつけているかのようでしたよ。
雨の中でも、あの観音裏のカラス夫婦がいらしてました。浅草の「浅」と観音様の「観」をいただいて、お名前を付けてあげたのです。
お父さんカラスを「観太郎君」。
お母さんカラスを「お浅ちゃん」。
今朝も、観太郎君とお浅ちゃんは仲良く瓜生岩子像の警護に当たっておりましたよ。
激しい雨の中でも持ち場を離れず、像の左右を行ったり来たり。時には二羽そろって瓜生岩子さんのすぐそばに並び、まるで「今朝も異常なし」と報告しているようでした。
雨の日も休まず警護とは、なかなか責任感の強い二羽ですね。ご苦労さま、観太郎君、お浅ちゃん。
バイバイ、また明日も逢えるかな。