今朝もいつものように、あほまろの姿を見つけると、ビクトリー君が足早に近寄って来てくれました。
おはようビクトリー君。
ハトは「歩く鳥」と言われますが、その歩き方にも、それぞれ個性があるものですね。ビクトリー君は胸を張り、いかにも自信ありげな足取りで、「今日も来たよ」と語りかけるように近寄ってくれましたよ。
羽を大きく広げる姿も、相変わらず見事でした。ハトは飛び立つ前だけでなく、着地した後にも翼を広げて体勢を整えます。
ほんの一瞬の仕草ですが、翼の白い帯が朝の薄明かりに浮かび上がる様子は、何度見ても美しく、思わずシャッターを切ってしまいます。
そして、お気に入りの手水舎の縁に飛び乗ると、首を左右に傾けながら、何か話しかけるような表情を見せてくれました。
ハトの首元は一見黒く見えますが、光の当たり具合によって緑や紫の金属光沢が現れます。 その輝きは、まるで小さな宝石を身にまとっているようで、自然が生み出した見事な装いなのであります。
手水場から棚の上に飛び移ってくれました。
赤い柱を背景にすると、灰色の羽色がいっそう引き立ち、どこか舞台役者のような凛々しさを感じさせますね。
境内を訪れる多くの人は観音さまに手を合わせて足早に通り過ぎますが、あほまろにとっては、こうして毎朝迎えてくれる小さな友だちとの再会も、何より大切な朝の楽しみなのでございます。
すぐ目の前まで近寄り、じっとあほまろを見つめてくれましたよ。
その澄んだ赤い瞳には、あほまろの姿だけでなく、毎朝変わる浅草の景色までも映し込んでいるようでした。
四年余りも付き合っていると、言葉を交わさなくても互いの気配だけで通じ合えるような気がしてしまいます。
もちろん、それはあほまろの勝手な思い込みかもしれません。
しかし、その思い込みこそが、毎朝の散歩をより楽しく、より豊かな時間にしてくれているのでしょうね。
今朝、姿を見せてくれたハトはビクトリー君だけでした。仲間たちはまだ夢の中だったのでしょうか。それでもビクトリー君だけは、いつものように真っ先に近寄ってきて、朝の挨拶を欠かしません。
その律儀な姿を見るたびに、「今日も元気だよ」と声を掛けてくれているようで、あほまろも思わず顔がほころんでしまうのでした。
バイバイ、また明日。