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令和8年(2026)7月23日(木)

 日の出前の境内は、まだ薄暗さに包まれておりました。そんな静かな朝、遠くからあほまろの姿を見つけたビクトリー君とレインボーちゃんが、いつものように一目散に駆け寄って来てくれましたよ。

 おはよう、ビクトリー君。

 君たちには立派な翼があるというのに、どうして毎朝こうして走って来るのでしょうね。飛んだほうが早そうなものですが、それでも一生懸命に足を動かして近寄って来る姿が、なんとも愛らしいのであります。もっとも、お気に入りの棚の上へ上がる時だけは、さすがに羽ばたかなければなりませんけどね。

 おはよう、レインボーちゃん。

 今日もビクトリー君のすぐそばに寄り添い、朝から仲睦まじい様子でございます。

 二羽はくちばしを寄せ合い、お互いの首元を優しくつつきながら愛情を確かめ合っておりました。

 その姿は、まるで恋人同士が朝の挨拶を交わしているようで、見ているこちらのほうが照れくさくなってしまいましたよ。

 しばらくすると、いちゃいちゃタイムも無事に終わり、今度はハート君とピースちゃんも姿を現しました。四羽が揃うと、まるで「さあ、今日も遊ぼう」と相談でもしているかのようです。

 ちょうどその頃、東の空から朝日が昇り始め、境内はゆっくりと夜明けの光に包まれていきました。薄暗かった景色にも色が戻り、四羽の羽の艶や首元の美しい輝きも、朝の光を受けていっそう鮮やかに見えてきたのであります。

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 仲良し四羽は、棚の上を歩き回ったり、追いかけっこをしたり、時には羽を広げて飛び回ったりと、思い思いに朝のひとときを楽しんでおりました。あほまろも、その微笑ましい光景に夢中になり、シャッターを何度も切ってしまいましたよ。

 暑さ厳しい夏の朝でも、この四羽の元気いっぱいの姿を見ていると、不思議と暑さを忘れ、今日も良い一日が始まるような気持ちにさせてくれるのでありました。

 おや、今度は子どももやって来ましたよ。

 まだ羽色は幼さを残しておりますが、親鳥をぴったり追いかける姿は実に微笑ましいものでした。

 ビクトリー君は棚から軽やかに飛び降りると、子どもの前で何やら熱心に話しかけているようです。
 いいかい、飛ぶ時はこうするんだよ。そんな声が聞こえてきそうでした。

 すると次の瞬間、ビクトリー君はいきなり手水場の室内を勢いよく飛び回り始めました。

 それを見た子どもも負けじと後を追い、天井近くまで羽ばたいて飛び上がります。

 しかし、まだ飛び慣れていないのでしょう。

 勢い余って壁にぶつかりそうになり、慌てて向きを変える場面もありましたよ。

 それでもビクトリー君は慌てる様子もなく、何度も旋回しながら飛び方を見せていました。まるで親鳥が「翼の使い方」や「狭い場所での方向転換」を、実地訓練で教えているように見えたのであります。

 やがて親子は狭い手水場を飛び出し、開けた本堂前へと向かいました。

 広い空間へ出ると、ビクトリー君は大きく羽を広げて悠々と舞い上がります。

 その姿を見た子どもも一生懸命に後を追い、ぎこちないながらも懸命に羽ばたきながら、親と同じように空を舞っておりました。

 翼をいっぱいに広げ、親子が並んで飛ぶ姿は、何とも美しい光景でしたよ。

 人間の子育てと同じように、鳩の世界にも親が身をもって教え、子どもがそれを真似しながら少しずつ成長していく営みがあるのでしょう。

 あほまろは、そんな親子の小さな飛行教室を夢中で追いかけながら、何度もシャッターを切ってしまいました。今日もまた、浅草寺の朝に、心温まるひとときを見せてもらったのでありました。

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