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令和8年(2026)7月6日(月)

 おはようビクトリー君。

 今朝は小雨の降る中でも、ちゃんと来てくれましたね。

 昨日は姿が見えなかったので、あほまろは少し心配していたのですよ。いったい、どこで雨宿りをしていたのでしょう。

 雨の日はね、体温を逃がさないように、葉っぱが傘代わりになる大きな木の下で休んでいたんだよ。あほまろが来ていたことは、レインボーちゃんからちゃんと聞いていたけど、気付かなかっただけなんだ。

 なるほど、鳩たちにも雨の日ならではの知恵があるのですね。羽根が濡れ過ぎると体温を奪われ、思うように飛べなくなってしまいますから、賢い選択だったのでしょう。
「でもね、今朝も雨だけど、あほまろに会いたかったから来てあげたんだよ。」
 そんなことを言われてしまうと、こちらまで嬉しくなってしまいますね。

 それに、たまには雨のシャワーを浴びるのも悪くないんだ。羽根もきれいになるし、気持ちいいんだよ。

 そう言って胸を張るビクトリー君は、どこか誇らしげでした。人間は雨が降ると傘を差して足早に歩きますが、鳩たちは鳩たちなりに雨と上手に付き合っているのでしょうね。

 ビクトリー君とそんな他愛もない話をしていると、少し遅れて、首元を虹色に輝かせたレインボーちゃんも、濡れた石畳を軽やかに歩いてやって来ました。

 おはよう、レインボーちゃん。

 今朝も、いつもの仲間が揃いました。雨空の浅草寺でしたが、こうして小さな友だちが集まってくれるだけで、境内は少しだけ明るくなったような気がしたのでありました。

 レインボーちゃんが姿を現すと、それを待っていたかのように、ビクトリー君は突然、翼を大きく広げて境内をひと回り。勢いよく舞い上がると、あほまろの目の前で華麗な乱舞を披露してくれましたよ。

 雨粒をまとった羽根が朝の薄明かりを受けてきらりと輝き、その姿はまるで「ちゃんと来たよ」と元気いっぱいに報告してくれているようでした。

 昨日会えなかった分まで取り戻そうとしているのか、それともレインボーちゃんへの歓迎の舞だったのか、その真意はビクトリー君だけが知っているのでしょうね。

 雨の朝は人間にとっては少々憂鬱なものですが、鳩たちにとっては、それほど悪い朝ではないのかもしれません。

 ビクトリー君の元気いっぱいの乱舞を眺めているうちに、雨空まで少し明るくなったような気がしたのでありました。

。

 レインボーちゃんも舞いを見せてくれたので、石川さんも見ておりましたよ。

 それでは、あほまろはそろそろ帰りますよ。また明日、元気な顔を見せてくださいね。

 そう声をかけると、ビクトリー君もレインボーちゃんも、まるで「もちろんだよ」と言いたげに、小さく首を上下に振ってくれました。

 また明日ね。

 そんな声が聞こえたような気がして、あほまろは雨に濡れた境内を後にしたのでありました。明日もまた、この小さな友だちとの再会を楽しみにしながら帰ってまいりましたよ。

 今朝もカラスが来てましたよ。

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