おはようレインボーちゃん。
あれ、今朝はひとりで来たのですね。いつも一緒のビクトリー君の姿が見えませんが、まだお寝坊さんなのでしょうか。
それでは、いつもの待ち合わせ場所で、のんびり待つことにしましょうね。
……でも、待てど暮らせど、ビクトリー君は現れません。どこへ行ってしまったのかな。
レインボーちゃんがひとりで姿を見せるのは珍しいことです。仲良しの二羽が離れて行動することは滅多にありませんから、少し気になってしまいますよ。
空を見上げると、今にも雨が落ちてきそうな重たい梅雨空が広がっております。もしかすると、どこか雨宿りのできる場所で様子をうかがっていて、「今日は出かけるのをやめておこう」と決めたのかも知れませんね。
そこへ、おはよう、あほまろと、ピースちゃんがやって来ました。
続いて、ハート君も。
二羽は息の合った見事な着地で、いつもの棚の上に並んで止まりました。
あれ、今日はレインボーちゃんだけなの?
ビクトリー君を見かけなかったですか。
もちろん返事はありませんが、ハート君は首をかしげ、ピースちゃんは境内の方へ視線を向けております。その仕草が、まるで「今日は見ていないよ」と答えてくれているようにも見えてしまうのです。
毎朝当たり前のように顔を合わせている仲間がひとり欠けるだけで、境内の景色まで少し寂しく感じられるものでしたよ。
二天門前では、ゴマちゃんがぽつんと座っておりました。
おはよう、ゴマちゃん。
雨に濡れた石畳の上で、じっとこちらを見つめる姿は、どこか寂しそうです。
それでも以前のように両足をかばってうずくまる様子ではなく、少しだけ表情にも元気が戻ってきたようですね。ハート君も来てくれました。
ゴマちゃん、足の具合はいかがですか。
少し離れたところから様子を見ていたハート君も、心配そうにゴマちゃんを見つめています。仲間同士にも、お互いを気遣う気持ちがあるように思えてしまうのです。
すると、ゴマちゃんが小さくうなずくように首を動かしました。
「足はだいぶ良くなったけど、まだ歩くのがちょっと辛いだけなの。」
そんな声が聞こえてきそうでしたよ。
確かに腫れは以前よりも引き、立ち姿にも少しずつ力強さが戻ってきました。しかし、歩き出すとまだ慎重で、一歩一歩を確かめるように足を運んでおります。
焦らなくても大丈夫ですよ、ゴマちゃん。
怪我は急いで治そうとしても、羽が生え替わるようにはいきません。ゆっくり、ゆっくり治して、また以前のように境内を元気いっぱい歩き回る姿を見せてくださいね。
あほまろも、これからも毎朝、その小さな回復を見守り続けたいと思っております。
ビクトリー君は、きっと、この雨を避けてどこか安全な場所で羽を休めているのかな。
雨が降って来たので、あほまろは帰ります。明日の朝には、いつものようにビクトリー君が先頭になって飛んできて、レインボーちゃん、ハート君、ピースちゃんと勢ぞろいする賑やかな朝に戻ってくれることを願っておりますよ。
今朝は、浅草神社では、三羽のカラスが騒いでおりました。