令和8年(2026)1月12日(月)旧暦11月23日 仏滅
今朝の撮影 Data Leica M11P SAFARI iPhone 17ProMAX 現像 Adobe PhotoshopLightroomCC 撮影枚数xx枚
- 降る雪に 止めよと言えぬ旅心 腹ぺこよりも好奇心かな -
広島県の空は、実に気まぐれでありました。 雪が降ったかと思えば、何事もなかったように止み、また思い出したかのように舞い始める。まるで「今日はどう驚かせてやろうか」と、空そのものが悪戯心を起こしているようなお天気でございましたよ。 あほまろは、昨日の朝、呉のホテルで目を覚まし、窓の外に広がる穏やかな空を見て、内心ほっと胸を撫で下ろしたのであります。 「よし、今日は大丈夫だろう」 そう高を括ったのが運の尽き。弟子の伸麻呂とともにホテルをチェックアウトし、玄関を一歩出た途端、ひらり、ひらりと白いものが舞い落ちてくるではありませんか。 「あれは……気のせいではないな」 気のせいで済ませたいところですが、しっかりと雪でございました。 しかし、たとえ雪が降ろうとも、ここは久方ぶりの呉。あほまろの旅心に「中止」という選択肢は通じません。観光は、予定通り続行であります。 現在、呉の名物「大和ミュージアム」は休館中。代替施設として、駅近くのビューポートくれ内に設けられた「大和ミュージアム・サテライト」を訪ねることにいたしました。 規模こそ小ぶりではありますが、館内には戦艦「大和」の模型や関連資料が整然と並び、零式観測機の実物大模型まで展示されております。コックピットの中まで覗けるというのは、なかなか貴重な体験でございました。 とはいえ、やはり“仮住まい”の展示館。心のどこかで「本館はまだか」と、物足りなさを覚えるのも正直なところであります。 そんな中、あほまろの目を釘付けにしたのが、巨大モニターで自在に閲覧できる戦艦群の設計図や機密資料の数々。まるで未来の作戦室で、指揮官にでもなった気分で画面を操り、しばし時を忘れて見入ってしまいましたよ。 戦争というものの愚かさと、そこに注ぎ込まれた技術の凄まじさ。その両方が、無言の図面から迫ってくるのでございます。 今年四月二十三日には、ついに本物の「大和ミュージアム」が再オープンし、十分の一スケールの巨大な「大和」が姿を現すとのこと。 雪が小止みになり、雲間から陽が差してきたのを見て、あほまろは「建物だけでも拝んでおこう」と、現地へ足を運びました。すると、裏手のガラス越しに、噂の十分の一模型がうっすらと見えるではありませんか。 「これだけでも来た甲斐があった」 人間とは、つくづく単純な生き物であります。 その正面に鎮座するのが、海上自衛隊呉史料館、通称「てつのくじら館」。巨大な潜水艦の姿は、写真や映像で見るのとは迫力が段違いで、思わず背筋が伸びました。 退役潜水艦「あきしお」の内部に無料で乗艦でき、艦長室や士官室まで見学できるとは、何とも太っ腹な展示であります。1986年から2004年まで実際に任務に就いていた本物の潜水艦。日本で唯一、“実物に入れる潜水艦ミュージアム”として、これほど貴重な場所もなかなか無いでしょう。 ところが、感慨に浸る間もなく、再び雪が本気を出してきたのです。あほまろと伸麻呂は、名残を惜しみつつ呉を後にし、次なる目的地・広島へと向かったのでありました。 広島では、日本三景の一つ、「安芸の宮島」。世界遺産・厳島神社へ、初詣を兼ねて参拝ようと、広島駅からJRにて宮島口へ。 JRフェリーに揺られること、わずか十分足らずで対岸に到着いたします。 「これほど近いのなら、橋でも架ければよいではないか」 などと、つい凡俗な発想が頭をもたげますが――そこはぐっと堪えるのが大人というもの。 ここは古来より神々の島と仰がれてきた、神聖なる場所。便利さよりも、渡るという“ひと手間”こそが、心を清めるための作法なのだと、あほまろは自分に言い聞かせるのでありました。 到着すると、陽が射しているにもかかわらず、雪が舞い、ときおり激しく降る。その雪の向こうに浮かび上がる朱塗りの大鳥居。島全体が神域とされてきた理由が、理屈ではなく肌感覚で伝わってくる光景でございました。 参道に響く多国語の会話は、どこか浅草の仲見世を思わせ、あほまろは「ここもまた、世界の交差点だな」と、ひとり頷いたのであります。 参道で、名物の焼きたて「もみじ饅頭」を一つ頬張っただけで、滞在はわずか一時間ちょっと。 行きはJRでしたが、帰りは宮島口から路面電車(広電)に乗ることにいたしました。この判断が、結果的に大正解となったのであります。 ちょうどその頃、JR山陽線で人身事故が発生し、広島〜岩国間が運転見合わせ。路面電車は途中から立錐の余地もないほどの混雑となりましたが、あほまろたちは始発駅から余裕の着席。これも参拝のご利益なのか、有り難いというものでしたよ。 雪はますます勢いを増し、早めに引き上げた判断に、あほまろは密かに自分を褒めました。ホテルに戻ってみれば、この日まともに口にしたのは、朝食ともみじ饅頭一個だけ。 腹の虫が抗議を始め、弟子の伸麻呂とともに広島駅構内の食堂へ駆け込み、チーズ料理を腹いっぱい頬張ったのでした。文明の利器とカロリーは、旅人の正義であります。 そして本日。再び路面電車に揺られながら市内を巡り、あほまろは浅草へと戻ります。 雪の広島と、喧騒の浅草。その対比を胸に刻みつつ、旅はまだ続くのでございました。 「降る雪に 止めよと言えぬ旅心 腹ぺこよりも好奇心かな」(阿呆人也) --------------------------------------------------- ここからは、昨日の写真を時系列に並べておきますね。 Memo Leica M11P SAFARI SUMILUX-M f1.4/35mm ASPH. SAFARI SUMILUX-M f1.4/50mm ASPH. SAFARI TRI-ELMAR-M f4/16-18-21mm ASPH. iPhone 16 ProMAX