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『つくづくと』
　ありがとうモモちゃん（合掌）。

　おみくじを引くと８０番「大吉」でした。モモちゃん、落ち込んでいるあほまろを喜ばせてくれているのかな・・・・。

　モモちゃんがあほまろ家にやって来て１７年と２ヶ月、昨日午後１２時２０分、とうとうお別れする日が来てしまいました。数日前からそろそろ天命を全うするであろうと覚悟は決めていたのでしたが、いざ、となると覚悟なんてどこへやら、きたるべきつらい事態に心を取り乱してしまうんですよね・・・。
　あほまろが愛犬の死に直面するのはこれで２回目、２年前の４月１日、モモちゃんより一日早く我が家にやって来たハニーちゃんの死、あの時も辛かったのでしたが、あほまろにとってのモモちゃんは毎朝の散歩を共にしていたことで、特別な存在だったのです。昨年末頃から、年老いたモモちゃんは散歩も辛くなり、今年に入ってからの散歩はほとんど抱っこの連続でした。モモちゃんを抱っこしていると、写真が撮れない、そんな些細な理由だけで散歩の相手を元気なナナちゃんに変えてしまったことが、更に老いを深めてしまったのでは無いでしょうか。あとになってくやんでも、もう取り返しがつかないことになってしまったんですよね・・・。

　左から故ハニーちゃん、次は、毎日一緒に寝ているタマちゃん、未だに外を恐がって散歩が出来ないのです。そして、３年前まではモモちゃんと一緒に境内を散歩をしていたのですが、病気で目も見えず、歩けなくなってしまったポーちゃんです。毎日、ゴロゴロ転げ回りながらも、食欲は旺盛なのでそれでもしっかり生き続けているのが可愛いでしょ。
　あほまろが、浅草に越して来て１０年目、実際に住んでみると浅草には隅田公園以外、ほとんど自然がありません。以前に住んでいた麹町一番町は東京のど真ん中ではありましたが、皇居の側という環境から緑も多く、北の丸公園から武道館を抜け千鳥ヶ淵と、犬たちにとっては散歩天国だったのです。ただ、都会のど真ん中には近所付き合いはもちろん、人間関係を全くつくれませんでした。浅草に越して来たのは、犬の気持ちも考えず、あほまろの身勝手だけで決めてしまったんですよね。しかし、住めば都、緑は少なくても下町の人間関係が、あほまろとモモちゃんに、それ以上の豊かさを与えてくれたんですよ。結果、みんな浅草が大好きになってしまったのです。

　昨日の１２時２０分、女房からの電話で慌てて自宅に戻ったのでしたが、既に手遅れでした。お目々に涙をいっぱい溜めたモモちゃん、抱っこしてあげると、だらりとしてはいるのですが、身体はまだ温かく、じ〜っとあほまろを見つめているモモちゃん、いつものままだったんですよね・・・。モモちゃん、モモちゃんのおかげで、あほまろは健康で暮らして来られたんですよ。ありがとう、本当にありがとう。モモちゃん。

　これからモモちゃんを火葬場に連れて行きます。人間ならちゃんとした棺桶を用意するのでしょうけど、そんなの何処に売っているのか判りません。昨日は、近所の八百屋さんから手頃な段ボール箱を貰い、中にタオルを敷き、女房が作ってくれた白装束を纏ったモモちゃんを寝かせ、周りに菊の花を並べてあげました。

　棺桶に入れる最後のお別れの時、あれだけ暖かかったモモちゃんの体がすごく冷たかった。あぁ、モモちゃん、死んでしまったんだよね・・・。モモちゃん。

　今頃はきっと、先に逝ってしまった天国のハニーちゃんと、あほまろ家での想い出を語り合っていることでしょう。ありがとう。本当にありがとう、モモちゃんが居てくれたおかげで、我が家はみんなが幸せでしたよ。これからもあほまろ家と、浅草寺境内にやってくるお友達のワンちゃんたちを、天国から優しく見守っていてくださいね。

　さようなら、モモちゃん。
　
○--------------お知らせ---------------○
　テプコ浅草館で、江戸庶民の暮らしを再現「檜細工師三浦宏 匠の技」展が開催されております。詳細は、こちら。

　浅草に越して来て始めての朝、モモちゃんは初めて雷門を目の当たりにしたんですよ。あれから、９年ちょっと、一日も欠かすことなく雷門を見つめ続けていたんですよね・・・。

　三社祭のしめ縄を吊す杭が設置されました。モモちゃん、あほまろが三社祭は忙しいのを知って、ちょうど一週間前に旅だってくれたのです。そんな意味では、モモちゃん、さすがに浅草っ子だよね。ありがとう。

　仲見世の敷石、モモちゃんは必ずど真ん中だけを歩いていたんですよ。でも、いつもお菓子をくれたおじさんのお店の前に来ると、まだ開いていないんだ・・・、必ず立ち止まって、広重の雷門が描かれたシャッターを見ていたよね。

　

　モモちゃん、一度だけこのお庭に入ったことがありましたよね。

　ここまで歩いて、さて、今日はどっちから行こうかなと立ち止まると、モモちゃんは必ず右に折れて歩いたのです。それ以来、あほまろも三地蔵様を詣でるようになったんですよ。実は、モモちゃんは三地蔵様の広場を歩き回るのが好きだったのです。

　

　せめて、本堂の修復工事が完成するまで生きていて欲しかったよな・・・。

　モモちゃんの死、メイちゃんもいつもの参拝のみんさんも悲しんでくれました。

　

　モモちゃんの冥福をお祈り申し上げます。今朝は、気が抜けているあほまろ、いつもでもくよくよしてちゃいけませんよ。モモちゃんに励まされてしまったような・・・。

　

　

　修復工事が再開されました。

　



『本堂から宝蔵門』
　お詣りを済ませ、お帰りになるみなさん。いつもと変わらない光景ですが、あほまろには、モモちゃんが居なくなってしまった。大きな変化の朝なのです。

　
『本堂から宝蔵門の大提灯』　
　思えば、二年間のドラマ「浅草ふくまる旅館」のタイトルバックに、偶然、あほまろと一緒に本堂の階段を降りて来るモモちゃんの姿が映ってましたよね。

　

　

　二尊仏さま。　



　モモちゃんが好きだった三地蔵さま広場。

　

　もし、あほまろ家にこんな庭があったら、モモちゃんのお墓を建ててあげたでしょうね・・・。

　今朝も、境内の総ての堂宇を詣で、モモちゃんの冥福をお祈りしてまいりました。

　

　これからの季節が、暖かくて散歩が気持ち良かったのに・・・。

　

　

　いつもの梅の実。

　

　

　



　三社祭まで一週間を切りましたね。今年はモモちゃんの分まで頑張らなくっちゃ。

『今朝の浅草神社』