『LEICA de 散歩』
世界中のカメラやレンズを一堂に集めた松屋銀座恒例のイベント「第31回 世界の中古カメラ市」が、昨日18日から23日まで、松屋銀座8階大催場で行われています。以前から探そうと思っていたカメラが待ってはいないか、そんな期待を込めて銀座「松屋」に行ってきました。写真は今回のダイレクトメールです。

初日とあって、会場内は大混雑。開店前から行列が出来ていたそうですね。昨年は映画の準備で行けなかったんだよね。一昨年はなぎら健壱さんと会場でばったり、昼間っから飲んでしまったっけ・・・。その前年はカメラ雑誌の編集長と、そのまた前年は、そんなの忘れちゃったよ。
普段はデパート内の写真撮影は禁じられているのですが、さすがにカメラ展会場、みんなカメラを覗いているので、誰にも咎められなかったんだよ。とはいっても、「会場内撮影禁止」なんてヤボな貼り紙、それって意味無いだろが。

中古カメラ市にいらっしゃるお客さんの層は、おじさんばっかりだった。いみじくも弟子の古麻呂が言ってました。そう、あほまろも同じ事を考えていたのです。だって、平日の昼間から中高年男性が目を皿のようにしてショーケースを睨んでいる。ほとんど、周りなんか目に入いらず、自分だけで悦に入っている。団塊の世代の男は、みんなカメラが好きだったんだよね。

会場内では、目の不自由な人々が撮影した写真を、立体コピーを組み合わせてパネル展示し、指で作品に触れて鑑賞することのできる写真展「第24回全国盲人写真展」も同時に開催されています。視覚障害を持つ方々の文化活動の支援と、創造的意欲の援助を目的として開催されるこの展示会、誰もが考えるのは、視覚障害と写真撮影とは、一番遠くにある存在と思いませんか。でも、そのハンディを乗り越え、見えないカタチを心の目で撮ってしまうのです。いや〜、人間の慣性の奥深さをしみじみ感じさせられた展示でした。

さて、今回の勝利品を紹介しましょう。これもカメラ・・・、じゃ無いんです。ハッセルブラッドというカメラのファインダー部分なのですよ。同じようなファインダーは何個も持っているのですが、それらは単なるファインダー、実は、この中に露出計が組み込まれている優れものなんです。とはいえ、実際にハッセルブラッドを使う時にはやっぱりしっかりした露出計は必需品。単なるおまじないの衝動買いだったのかもね・・・。
実は、最初にこれを見つけた時から気になってはいたのですが、露出計が入っているからといってそれを常用する訳じゃ無いし・・・、色々と考えながら他のお店を巡っていると、同じものが更に高い値段で売られているのです。それも、店を変えて2台も見てしまったのが運の尽きだったのかな・・・。
後ろ髪を引かれるよに、弟子の古麻呂とデパートを出て、せっかく浅草を離れたのだから、銀座らしいハイカラな昼食でもと、街をぶらつき昭和っぽい洋食屋さんで「スペシャルドライカレー、一口ステーキ付き 1000円」なんてのを食しながらも脳裏に浮かぶファインダーってか。
食後は銀座のモダンな喫茶店、一杯730円のコーヒー、レギュラーを注文したのに、それは苦めが良いのか、はたまたソフトが良いのかなんて聞かれる始末。ま、それが浅草ではあり得ない気取り銀座ってとこなんでしょうね。当然、あほまろは苦め、古麻呂も真似して苦め。
本当は、飯なんて食って無いで、早くデパートに引き返したい、もしかしたら売れてしまったかも・・・、焦る心を落ち着かせるためにと、あほまろの善の心が、高いコーヒーで衝動買いを抑えてくれるかも、そんな行動に移させたのでしょう。それはそれとして、一杯730円のコーヒーも、いつもの330円のコーヒーと変わること無く飲み干しながら、さすが銀座だねとか、古麻呂と心にも無い褒め言葉まで交わしている自分が憎い。
勝手知ったる8階の催事場直行エレベータに飛び乗って、横目もふらず、まっしぐらに目的のお店に急いだんだってさ。それはそれで良かったのか悪かったのかは神のみぞ知る。帰ってからじっくりファインダーを眺めながら考えた。やっぱりこんなの必要無かったんじゃなかったのかも無かったのかな・・・、あ〜、あほまろもどっかの大臣みたいになってしまってるし・・・。

それはそれとして、今回の中古市で探したかったのは、こっちの方なのです。これも何か分かるかな・・・。カメラというより鏡胴。実は、単なる暗箱なのです。この前部にレンズを付け、後部にフイルムバックをセットすると、カメラになるのです。ドイツ製で、「リンホフ・マスターテヒニカ」といって、4×5インチの葉書大のフイルムを使うカメラです。既に1台有していますが、それは、あほまろが23才の時に購入したので、40年近くも使っているポンコツなのです。しかし、過去に3度も蛇腹交換をしたのでまだ現役ですが、やはり年にはかなわないようで少々光線引き(光漏れ)が起こりそう。今更新品を買うつもりは無いので、中古屋で安くて程度の良い物が見付かったら買おうと思っていたカメラなのです。
今回、購入した「リンホフ・マスターテヒニカ」は、1987年リンホフ社100周年を記念して売り出された、あほまろが大好きな限定品だったんですよ。これが売り出された時のお値段を知ってますか。普通品が60万円ほどだったのに対し、記念モデルは80万以上だったんだよね・・・。何処が違うかといえば、上部に100周年記念のプレートが付いているのと、レンズ支え柱の皮が茶色、それだけなんだよね。それは良いとして、蛇腹はチェック済みで更に一年間の保証付き、お値打ちの18万円。これで、屋外の光線引きに気を使わずに撮影が出来る、それを考えたら安いよね。
テスト撮影、やっぱり桜満開の隅田公園にしましょうかね。

秘密基地で寂しくお留守番していたナナちゃん。あほまろのベッド代わりの椅子と毛布、しっかり占領されてましたよ。おかげで、毛だらけ・・・。

LEICA M8
NOCTILUX-M f1.0/50mm
TRI-ELMAR-M f4/16-18-21mm ASPH
撮影枚数37枚 |