最近は時々ナナちゃんを散歩に連れて行くようになると、二匹の犬が玄関で、さて今日はどっちを連れていってくれるのかな・・・、なんて顔をしながら、どっちのリードを手にするかとあほまろの様子を伺っているのです。
今朝は、散歩の時間になると、それまでの激しい雷雨も収まってきたようですが、途中で再び降り出ししまったら困るので、ナナちゃんのリードを持った瞬間、ナナちゃんは玄関のドアの前に走り寄って来ました。その後ろでがっかり顔のモモちゃん、悪いけど、雨が降ってきたら困るので今朝は近所で用を済ませて頂戴ね。
いつもの時間に境内に着いたのですが、さすがにいつもの連中は誰も来ていません。朝のお参りも常連の方が二人だけのようです。暫く待っていたのですが、寂しい境内にやって来たのは常連のココアちゃんだけでしたよ。ココアちゃんだけはそんなに荒れた日でも来てくれるのですよね。
昨日、時々お逢いするワンちゃんのおかあさんから、“あほまろさんは、どうしてココアちゃんだけをいっぱい写してあげるのですか”、なんてメールを頂きました。今までも同じような内容のメールを頂いたことがありますが、それには、なんと答えたら良いのか困ってしまいます。単純にココアちゃんの表情が他のワンちゃんよりも豊かだってことでしょうね・・・。もちろん、モモちゃんやナナちゃんを始め、他のワンちゃんたちにもそれぞれ特徴はあるのですが、その表情に人間の感情を比喩できるようなワンちゃんには、ココアちゃん以外、なかなかお会いできないのかも。
最近のあほまろの日記、ワンちゃんたちを中心に語ることが多くなってしまったので、誰かを物語りの主人公に仕立て上げなければいけない、それがたまたま、毎日欠かさずやって来るココアちゃんがターゲットになってしまったんでしょうね。
現在、あほまろが制作中の映画は、人差し指ほどの動かない人形で構成されています。その人形に照明やアングルで様々な表情を創り出してその時の感情を表現しながら物語りを進行していくのです。ココアちゃんの表情を、おもしろおかしく表現しているのも、実は、映画の手法と同じなのですよ。というより、何年も前から朝の散歩でお逢いするワンちゃんたちと、飼い主のみなさんに、あほまろなりのストーリーを充てて楽しんでいるのです。いわば、架空の物語を想像しながらワンちゃんたちの表情を記録し続けているのですよね。そんな訓練が今回の映画に生かされているってことなのです。
ココアちゃんは、住職さんの家で、何不自由無く育っている年頃の娘さん。いつも陽気で、ちょっと生意気で、時にはエリカ様のように突っ張りを見せることもあるのですが、憎めないキャラクター。それでいて観音様に対する信仰心がとっても厚い、まじめなワンちゃん。そんな性格付けで毎日の観察をしているのです。
このように、想像の世界ではなんでも出来ます。これからも、境内に集まるワンちゃんたちの実生活には触れることなく、あほまろ独自の世界観でワンちゃんたちと飼い主のみなさんと接し続けていきますよ。
実は・・・、今度、映画を創る機会が合ったら、ペットだけを取り上げて創ってみたい。あほまろは、そんな構想も持っているので、毎日の散歩がロケハンなのかも知れませんね。

誰も来ない境内に佇む「おとうさん」こと、ナナちゃんです。でも、女の子なのですよ。

|