窓を打ち付ける激しい雨の音で目覚めてしまいました。時計を見ると午前４時をちょっと回った頃かな、この調子じゃ今朝もモモちゃんを連れていけないのかな・・・、ベッドの中でそんなことを考えてしまうと、目が冴えてしまうんですよね。でも、いつのまにか再び眠ってしまったようですね。おかげでいつもより３０分も寝坊をしてしまいましたよ。でも、夜半まで降り続いていた雨は止んでしまったようです。寝坊が功を奏し、今朝もモモちゃんと一緒に散歩をすることができましたよ。
　外はまだ雨雲に覆われて真っ暗です。午前５時半を過ぎているというのに、体感的にはこの時期の４時頃って感じでしょうかね・・・。雷門から仲見世に入ると、今朝は雨除けの屋根が降りたままで、軒先の電気も点いていません。おかげで、こちらも真っ暗なこれもまた一興かな・・・、なんてモモちゃんを抱っこして歩いていると、途中で突然軒先の電気が点灯しましたよ。確か、この沿道の点滅は明るさに応じて自動で行われていたはず、激しい雨でどこかが狂ってしまったのでしょうかね・・・。

　ちょっと遅れて本堂前に着いたあほまろとモモちゃん、雨上がりの境内なので、いつものワンちゃんたちは居ないようです。こんな朝でも散歩に来るのは、いつものココアちゃんだけなのでしょうかね・・・。なんて思いながら浅草寺を詣で階段を降りて来ると、ランディ君を皮切りにみなさん集まってきましたよ。雨なのでどうしようかと迷ったけど、思い切って出かけてみましたよ。さっきまで降っていたあの雨じゃためらうのも無理は無いでしょう。

　本堂内から読経が聞こえてくる平和な境内、ワンちゃんたちも観音様に今日一日の幸せを願って手を合わせていると・・・。

　なんじゃこのガキ、俺を嘗めてるんか！何年監督やってるんか・・・・！

　本堂前で神聖な読経の声を打ち消すような下品で激しい関西弁の怒鳴り声が響いてきました。テレビドラマの撮影の準備をしている連中です。怒鳴り声の内容で、この撮影がＴＢＳの「あんどーなつ」で、監督の演出が気に入らないと、役者が怒りをぶつけている、そんな状況が把握出来ます。

　せっかく楽しい世間話しをしていた仲間たちも怖くなって逃げ出してしまいましたよ。大勢のスタッフは周りでその様子を見守っているだけで、誰もその大声を止めようとしませんし、浅草寺のガードマンも止めようとはしないのです。

　お前な、この台詞を撮らなきゃ内容を伝えることが出来ないじゃろ・・・！
　言っても解らなきゃぶん殴ってやるからこっちに来い！
　
　あまりの言葉に、外国人のＫさんが殴り合う前に喧嘩を止めようと自転車で割り込んできたのですが、側に居た制作部の方が飛んで来て外国人の方を止めるのです。そして、早く立ち去れと言わんばかりの手で追い払っていました。その間にも更に激しくなる怒鳴り声。

　あんたたちね・・・、神聖な浅草寺のそれも本堂の真ん前で怒鳴り合っているのを止めようともせず、それを止めに入った人まで追い出してしまう。いくら撮影の許可を貰っているからといって、失礼にもほどがあるんじゃないのか。これがドラマの内容だったらお芝居で許されるだろうけど、本気の喧嘩は止めるのが当たり前だろうが・・・。

　ＮＨＫの朝ドラ「こころ」を皮切りに、浅草物が流行り、早朝から様々な撮影が行われてきた浅草寺本堂前。少なくても今までは地域住民とのコミュニケーションだけはちゃんと守ってくれ、朝のお参りの方々に携帯電話での撮影なども快く受け入れてくれたりと、和気藹々の雰囲気で撮影が行われていました。でも、今回の「あんどーなつ」だけは違っているようです。先月も写真や通行人の止め方で頭に来たように、本堂前にもかかわらずでかい声を張り上げたりと、最低なスタッフの集まりなのでしょうかね・・・。

　このドラマ、あほまろはまだ見たことはありませんが、ホームページを開くと、「下町に生きる職人さんたちの世界を描いたドラマなので、“心”を伝える、“愛”を伝えるというドラマ・・・」なんて書かれていましたよ。それと、驚いたことに、監督と怒鳴り合っていた男は、な、なんと・・・。ドラマでダブル主演をつとめる和菓子職人だったんですね・・・。きっとドラマの中では偽善者を装っているのでしょう。そう考えると、ますます見たくなくなってしまいましたよ。

　それよりも、浅草寺さんもこれから撮影許可を出す時は、「境内で怒鳴り合ってはいけない」ってことも明記しておいた方が良いでしょうね。せっかくの朝のお参り、全員が嫌な空気を感じてしまったのです。

　上の写真でもお解りの通り、参拝者もワンちゃんたちも喧嘩を避けるよかのように、そーっと、反対側を駆け足で逃げ帰っていくのです。こんな状況で撮影を行ったとしても、“心”を伝える映像の中に、ちゃんと不協和音は写ってしまうんですよね・・・。いつ放送されるのかは知れないけど、その回だけは見てみたいかも。

　あぁ、あほまろの映画に生身の人間を出さなくて良かった。

　



『今朝の浅草神社』　

　雨上がりなので誰も来ないかと思ってましたよ。でもね・・・、外じゃないと用を足してくれないもので・・・。ランディ君とアリスちゃんのおかあさん。毎朝、二匹の犬を連れる重労働なんですよね。

　最近のランディ君はとっても大人しくなってしまいましたよ。モモちゃんとも優しくご挨拶できるようになったでしょ。

　どんな天候でもやって来るのはココアちゃん。今朝はお勤めのおとうさん、その読経が本堂内から聞こえています。

　おとうさんの声が聞こえていると、安心するココアちゃんです。

　おや、何で怒鳴っているの・・・。

　おとうさんの声を打ち消すかのように聞こえて来る怒鳴り声、困ったですね。

　あぁぁ、熱心な方々が朝から未来の三世の仏の心に接しに来ているっていうのに・・・。ココアは俗界の戯言を無視し、おとうさんの詠む読経だけを聞きますよ。

　雨だったのにナナちゃんも出てきましたね。今朝はおかあさんも一緒でした。

　今朝のメグちゃんはみんなの輪の中に入ってくれましたよ。

　おや、ジャム君もいらしたんですね。

　こんな平和で神聖な本堂前、この時いきなり怒鳴り声が響き渡りました。ワンちゃんたちも驚いて、声のする方を見つめていましたよ。

　サツキちゃんも喧嘩は嫌だよね・・・。いつもの犬仲間だけは、観音様の仲良しを続けましょうね・・・。

　あほまろは、連日の編集作業で参ってます。昨夜も、あほまろが帰ってから、監督補と助監督の作業が徹夜で続いたようで、昼まで休ませてあげることにしました。
　　映画は脚本を基に制作されるのは当たり前ではありますが、今回の作品は人形が台詞を喋る想定なので、撮った絵には当然台詞が入っていません。それを良いことに編集作業で物語の内容を微妙に変えることが出来るのですが、大きく変えると絵が足りなくなってしまうのです。そこをなんとか・・・、あっちの絵、こっちの絵、使えるものは何でも使ってしまえ・・・・。あぁ、現場でもっとエキストラカットを撮っておけば良かった・・・、今回も後の祭りを悔やむあほまろ監督なのであります。
　
　現在は、編集作業と平行してアフレコ台本の作成も行っています。声を出していない人形に命を吹きかけるのが声優さん。そのために、しっかりした脚本に仕上げなければいけないので、まだまだあほまろの仕事の終わりは無いのですよ。

　そう、今回の主人公の女性二人は青二プロのベテラン声優、金月真美さんと小松里歌さんにお願いしているのです。彼女たちのこれまでの作品を聞きながら、台詞のニュアンスも変えなければいけない、それもアフレコ台本を創る上で、重要な作業なのですよ。