「丈夫で健康な子供に育ってもらいたい」
昭和61年に浅草寺裏に復元された九代目團十郎「暫」(しばらく)の銅像、鎌倉権五郎という前髪姿の子供で、「せりふ」にも子供言葉が使われている豪快で力強い子供です。九代目團十郎「暫」像の建立を記念して、浅草では平成3年より泣き相撲が開催しております。今年は第18回目となり、400名を超える赤ちゃんが応募されたのですが、抽選で40組80人の赤ちゃんが参加されました。
呼び出しに名前を呼ばれた親は、舞台両脇より進み出て、まわし姿の日大相撲部員の「組ませ役」に赤ちゃんをゆだね、双方の「組ませ役」は、赤ちゃんを見合わせ、行司の「はっけよい、のこった」の合図で泣きくらべを開始するのです。先に泣くか、後からでも10秒以内に泣けば、声の大きいほうが勝ちとなるのです。
「組ませ役」は、何とか早く泣かそうと、にらんだり、高く持ち上げたり、鬼の面をつけたりとからだ中汗だくの奮戦。そのしぐさに、泣きだす子、逆に笑う子、寝たままの子とさまざまで、会場は大爆笑の渦につつまれましたよ。
開催に先立って、九代目團十郎「暫」像の供養式が行われました。

毎年、十二代市川團十郎さんも審査員として参加されます。

土俵入りは参加者全員が浅草寺のお坊さんより、健康祈願のお加持を受けてから取り組みが始まるのです。

東西それぞれに別れ、いざ戦いの火ぶたが・・・。

最初の取り組みは、行事も組ませ役もなんとなくぎこちないですね。

組み合わせが進むに連れ、組ませ役も慣れてきました。でも、組ませ役が笑っていたとかの理由で物言いが付き退場なんてハプニングも。

泣かせるのは可愛そうですが、親御さんだって、この時ばかりは、たくましく泣いて欲しいと願っているのでしょうね。

偶然、知り合いの子どもさんも出場してましたよ。

あまり泣かない子どもには鬼脅しの登場です。西は青鬼。

東は赤鬼。

こんな滑稽な勝負に会場が爆笑でした。

行事が始まると、朝の雨が嘘のように暖かいお天気になって、組ませ役の日大相撲部のみなさんも真っ赤に日焼けしながら頑張ってましたよ。

赤ちゃんが先に泣くか、双方泣けば声の大きい方が勝ちというルールなので、組ませ役も一緒に泣いているようでした。

とはいえ、勝っても負けても勝負に決まりはありません。

赤ちゃんは泣くのが仕事ですからね。

とってもほほえましくて楽しい行事でした。

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