『今朝の浅草』
ちょっと暖かい朝なので、今年始めてポーちゃんも一緒に出かけました。久しぶりの散歩、とっても喜んでいるのですが、ポーちゃんはこのところ運動不足でちょっと肥満気味なのです。後ろから歩く姿を見ていると、身体全体を左右に振って、よたよた歩いています。寒いからといって散歩を休ませたのが原因なのでしょうね。というか、寒いからと面倒くさがるのはポーちゃんが悪いわけじゃ無いんですけどね・・・。
浅草一帯に張り出されている「犬捜してます」のポスター。新聞の折り込みにも入ってきました。先月27日の22時ころ、駒形橋付近で行方不明になってしまった犬を捜しているのです。また、この犬は心臓病で定期的な投薬も必要なのだとか。下の方にポスターの拡大写真を掲載しておきます。みなさんも協力してあげましょう。
二十四節気で、明日は「立春」その前日が季節を分ける「節分」です。昨日も書いたように、本来は春夏秋冬どこの社寺でも「節分」の行事を行っていたのですが、近年では「節分」といえば2月3日の豆撒きって相場が決まってしまったようです。
今日、立春の節分に豆をまく「豆まき」の行事を「追儺(ついな)」と呼び、中国から伝わった風習です。俗に「鬼やらい」「なやらい」「鬼走り」「厄払い」「厄おとし」「厄神送り」とも呼ばれ、疫病などをもたらす悪い鬼を追い払う儀式で、文武天皇の慶雲3年(706)に宮中で初めて行われたのが始まりと伝えられています。
この時期、コンビニなどに、「節分には○○○の方角を向いて恵方巻を食べましょう」そんなのを見かけると思います。これは、「節分」にあやかって、“恵方詣には、恵方巻・・・”、これは、昭和62年、関西の海苔業者が制定したあやかり商法。“節分の夜に恵方に向かい太巻きを食べると幸福になる”そんなでっち上げの言い伝えを、まことしやかに踊らされているだけなのです。
これと同じような例として、江戸末期にでっち上げられた「土用の鰻」、これだって、当時有名なコピーライター、山東京伝が鰻屋さんから、“真夏にも鰻が売れるようなコピーを創ってくれ”そう頼まれ、でっちあげたコマーシャルが今にも伝わっている。それと同じようなものですね。
さて、そんなわけで、「節分には○○○の方角を向いて恵方巻を食べましょう」の○○に当てはまる方角は、今年の恵方ってことです。昔は方角によって吉凶判断を行いそれに従ったようです。どちらかといえば、「凶」の方に注意が向いて、凶の方向への旅や、引っ越し、嫁取りなどは避けようとしたのです。またその方角へ向かう場合凶事を避けるため、一旦別の方向に向かってから出直す、方違え(かたたがえ)など、みなさん真剣に行っていたようです。そんな様子は、源氏物語などにも頻繁に登場します。もちろん迷信に決まっているのですけどね。
さて、それでは「吉」の方角はというと、おおよそ、その年の恵方は西暦年の末尾1桁が、0,5なら西南西、1,3,6,8なら南南東、2,7なら北北西、4,9なら東北東となるのだそうです。
ということで、今年の恵方は南南東です。今日の夜、南南東に向かって、太巻きをひとりで1本食べきるまで誰とも話してはいけないのです。あなたは信じますか。
昨日、浅草寺境内にて、「全国すし商生活衛生同業組合」が、節分には「お寿司屋さんんの恵方巻」のキャンペーンを行ったようです。あほまろはそんな情報を聞いていなかったのですが、仲見世のK君がわざわざ貰ってきてくれました。これが今朝の写真に写っている「恵方巻」です。説明書によれば、巻き寿司には「福を巻き込む」という意味があり、包丁で切らずにそのままほうばると、「縁が切れない」のですって。
そんなことも知らずに、我が女房、この日記を書いている途中に、ちゃんと輪切りにして持ってきやがるの。せっかく、今夜、南南東に向かって黙って一人で喰おうと思ってたのに・・・、まさか、縁切るってか!
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『今朝の雷門』
今朝はちょっと遅い(7時半頃)散歩だったので、仲見世を歩く人が多いようです。近所の人々は、雷門前を通過する時は必ず観音様に向かって一礼していきます。浅草では観音様にお詣りをすることを礼儀として、小さな頃から教えられているからなのです。この位置から通過する人達の観察、とっても興味深い、人々の信仰心ってのも感じるのです。

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『今朝の一写』
特に意味の無い写真ですが、コカコーラの自販機の上にダルマが置かれているのを見付けたのでついつい撮ってみました。このダルマには両眼入っています。浅草って験(げん)を担ぐ人が多いので、何かに成就した結果なのでしょうか。もしかして、この自販機の売り上げが予定を達成したお礼なのでしょうかね・・・。路地に似合う自販機の守り神、まさか「小便無用」の鳥居変わりじゃないでしょうね。

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『今朝の境内』
節分会は浅草寺だけじゃありません。お隣の浅草神社でも開催されるのです。今朝は、本殿中央にお供えものが飾られていました。これは節分会に使う何かを祀っているのでしょうかね。普段と様子が違ったもので。

節分会の開場に紅白の幕が張られました。今日は午前11時から一般の豆巻き、福寿の舞が開催され、午後4時から文化芸能人による豆撒きが開催されます。

開場になる舞台上から。

久しぶりにポーちゃん仲見世商店街に参上。

この犬を捜しています。お心当たりの方は、ポスター表記の番号にご連絡ください。
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浅草に直接関係の無いお話。ここは、あほまろの呟きですかね。
『今朝の余談』
歌舞伎座2月公演の初日を観てきました。毎年2月はお稲荷さんの縁日「初午」なので、歌舞伎座の内部にも地口行灯が飾られます。歌舞伎界では、階級の低い役者のことを「大部屋俳優」とか「三階さん」、更に「稲荷町」と称していることに由来するのです。
歌舞伎は、「稲荷町」 が居なければ成り立たないのです。それに感謝する一月ってことなのでしょうね。江戸時代の初代中村仲蔵のように、稲荷町から出発して後の大看板になった人だって居るのですから、頑張ってくださいね。
昨夜の歌舞伎、お目当ては、円熟の美貌・玉三郎と時分の花・菊之助の「京鹿子娘二人道成寺」、二人の白拍子花子、素晴らしいの一言に尽きました。

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